第18回 言語聴覚士国家試験 第112問
精神医学第18回
情緒不安定性人格障害境界型【境界性人格障害】について誤っているのはどれか。
- 1.薬物乱用が多い。
- 2.自傷行為が目立つ。
- 3.他者との交流を避ける。 ✓
- 4.自己の空虚感を抱いている。
- 5.時々強い不快感や苛立ちをみせる。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 他者との交流を避ける。
境界性人格障害(情緒不安定性人格障害境界型)は、むしろ他者との関係に過敏であり、対人関係を激しく求める特徴があります。見捨てられることへの恐怖が強く、他者との交流を「避ける」のではなく、むしろ「執着的に求める」ことが本質的な特徴です。完全に交流を避けるのは、むしろ回避性人格障害の特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 薬物乱用が多い。
✅ 正しい。境界性人格障害患者は、空虚感や苛立ちを緩和するために物質使用に走りやすく、アルコール依存やドラッグの乱用が高頻度で認められます。自己破壊的行動の一部として位置づけられます。
2. 自傷行為が目立つ。
✅ 正しい。自傷行為(手首切り、火傷など)は境界性人格障害の典型的症状です。内部の苦痛や感情を外部に表現する手段として、また一時的に不安を軽減する方法として用いられます。
3. 他者との交流を避ける。
❌ 誤り。これは完全な誤りです。境界性人格障害の患者は「見捨てられることへの恐怖」を持ち、対人関係を激しく求めます。むしろ交流を避ける傾向は「回避性人格障害」の特徴であり、境界性とは対照的です。
4. 自己の空虚感を抱いている。
✅ 正しい。慢性的な空虚感は、DSM-5の診断基準に明記されている中核症状です。この空虚感が、薬物乱用や自傷行為などの自己破壊的行動の駆動力となります。
5. 時々強い不快感や苛立ちをみせる。
✅ 正しい。感情の不安定性が診断名の由来であり、わずかな出来事で激怒や著しい不快感を示します。感情の波動が極めて大きく、他者をも巻き込みます。
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【試験対策ポイント】
対人関係パターンで区別する人格障害:
| 人格障害 | 対人関係の特徴 | 関連症状 |
|---|---|---|
| 境界性 | 執着的に求める / 見捨てられ恐怖 | 自傷・自殺企図・感情不安定性 |
| 回避性 | 交流を避ける / 拒絶恐怖 | 社会的引きこもり・孤立 |
| 依存性 | 過度に依存 / 遺棄恐怖 | 自己決定困難・従属的 |
| 反社会性 | 支配・操作的 | 無責任・共感欠如・違法行為 |
| 自己愛性 | 優越性の追求 / 批判への怒り | 共感欠如・賞賛希求 |
境界性人格障害の診断基準(重要5項目):
- 見捨てられることへの激しい恐怖
- 不安定な対人関係パターン
- 不安定で変わりやすい自己像
- 危険な衝動行動(多くの領域で)
- 繰り返す自傷または自殺の脅迫・企図・行為
- 感情の著しい不安定性
- 慢性的な空虚感
- 不適切で激しい怒り
- ストレス関連の一過性の解離症状
紛らわしい場所:「他者との交流を避ける」という表現で、一瞬「対人関係が悪い=交流を避ける」と連想しやすい。しかし、境界性人格障害は「対人関係が『激しく