第18回 言語聴覚士国家試験 第115問
内科学第18回
ショックの症状でないのはどれか。
- 1.血圧低下
- 2.皮膚冷感
- 3.多尿 ✓
- 4.意識混濁
- 5.チアノーゼ
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 多尿
ショックは末梢循環不全による組織灌流低下の状態であり、交感神経優位に伴う典型的な症状群を呈します。多尿はショックの症状ではなく、むしろ反対に乏尿(尿量減少)がショックの代表的な症状です。ショックでは腎灌流低下により抗利尿ホルモン(ADH)分泌が増加し、尿量は著しく減少します。
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【各選択肢の解説】
1. 血圧低下
✅ 正しい。ショックの定義そのものが「収縮期血圧90mmHg以下」または「平均動脈圧65mmHg以下」の持続的状態です。末梢血管抵抗低下または心拍出量低下により血圧が低下します。
2. 皮膚冷感
✅ 正しい。ショック時は交感神経が優位になり、末梢血管は強く収縮(末梢血管抵抗増加)します。血流が中核臓器(脳・心臓・腎臓)に集中するため、皮膚への血流が減少し、皮膚は蒼白で冷感を呈します。
3. 多尿
❌ 誤り。ショックでは腎灌流血流量が低下し、糸球体濾過量(GFR)が著しく減少するため、むしろ乏尿(1時間で0.5mL/kg以下)を呈します。ADH分泌増加により水の再吸収も亢進し、尿量はさらに減少します。
4. 意識混濁
✅ 正しい。脳灌流低下により脳への酸素供給が不足し、意識レベルが低下します。ショックが進行すると意識消失に至ります。意識レベルはショックの重症度を反映する重要な臨床指標です。
5. チアノーゼ
✅ 正しい。末梢血管収縮に伴う血流低下と、組織の酸素利用率上昇により、毛細血管内の還元ヘモグロビン濃度が上昇します。特に末梢(爪床・口唇)でチアノーゼが目立ちます。これを末梢性チアノーゼと呼びます。
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【試験対策ポイント】
ショックの主症状フローチャート
正常循環 → ショック(末梢循環不全)
↓
交感神経優位
┌─────────┬──────────┬─────────┐
↓ ↓ ↓ ↓
血圧低下 末梢血管収縮 代謝ストレス 臓器灌流低下
皮膚冷感 乏尿 意識混濁
蒼白 脈拍上昇 チアノーゼ
呼吸促迫
ショック時の腎機能変化
| 項目 | 正常 | ショック |
|---|---|---|
| 腎灌流血流量 | 1200mL/分 | 低下 |
| GFR | 正常 | 著しく低下 |
| 尿量 | 1mL/kg/時 | 0.5mL/kg/時以下(乏尿) |
| ADH | 低値 | 上昇 |
| 尿浸透圧 | 低~正常 | 上昇(濃い尿) |
重要:多尿が出現した場合はショックからの回復期か、あるいは医原性輸液過剰を疑う必要があります。