第18回 言語聴覚士国家試験 第116問
呼吸系第18回
筋肉の働きとして正しい組合せはどれか。
a.口蓋咽頭筋 ― 軟口蓋の挙上
b.口輪筋 ― 口角の挙上
c.オトガイ舌筋 ― 舌の後退
d.側頭筋 ― 下顎の挙上
e.咬筋 ― 下顎の挙上
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — d.側頭筋―下顎の挙上、e.咬筋―下顎の挙上
下顎の挙上に関与する咀嚼筋は咬筋と側頭筋です。これらはいずれも三叉神経第3枝(下顎神経)で支配され、下顎骨を上方に引き上げる作用を持ちます。他の選択肢は筋肉の作用が誤っており、特に軟口蓋の挙上や舌の動きに関する筋肉の混同が試験での典型的な誤答パターンです。
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【各選択肢の解説】
a. 口蓋咽頭筋―軟口蓋の挙上
❌ 誤り。口蓋咽頭筋(咽頭側索)は軟口蓋の挙上には関与しません。軟口蓋を挙上させるのは口蓋挙筋(Tensor veli palatini と Levator veli palatini)です。口蓋咽頭筋は咽頭側壁を形成し、嚥下時に咽頭腔を狭める働きをします。
b. 口輪筋―口角の挙上
❌ 誤り。口輪筋は口唇を取り囲む環状筋で、口唇の閉鎖・突出に機能します。口角を挙上させるのは大頬骨筋や小頬骨筋などです。口輪筋は咀嚼筋ではなく表情筋に分類されます。
c. オトガイ舌筋―舌の後退
❌ 誤り。オトガイ舌筋は舌を前方に突出させます。舌の後退に関与するのは舌骨舌筋や茎突舌筋です。舌の前後運動に関する筋肉の作用方向を誤解しやすい問題です。
d. 側頭筋―下顎の挙上
✅ 正しい。側頭筋は側頭部から下顎骨の筋突起に付着し、下顎を上方に引き上げます。三叉神経第3枝支配の咀嚼筋で、咬筋と協同して噛む力を生成します。前部線維は下顎を前方に、後部線維は後方に引く補助作用も持ちます。
e. 咬筋―下顎の挙上
✅ 正しい。咬筋は最も強い咀嚼筋で、下顎骨の角部から側頭下顎関節の関節囊にまで広がります。強力な下顎挙上力を発揮し、三叉神経第3枝で支配されます。咬合力は体重の約1.5倍に相当します。
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【試験対策ポイント】
咀嚼筋と舌の筋肉の区別
| 筋肉名 | 起始 | 停止 | 作用 | 神経支配 |
|---|---|---|---|---|
| **咬筋** | 頬骨弓 | 下顎骨角 | 下顎挙上(咀嚼力最強) | 三叉V3 |
| **側頭筋** | 側頭部 | 筋突起 | 下顎挙上・後退 | 三叉V3 |
| **口輪筋** | 口角周辺 | 口唇 | 口唇閉鎖・突出 | 顔面神経Ⅶ |
| **オトガイ舌筋** | オトガイ棘 | 舌背・舌尖 | **舌前方突出** | 舌下神経XII |
| **茎突舌筋** | 茎状突起 | 舌体 | **舌後退** | 舌下神経XII |
軟口蓋関連筋肉(重要)
| 筋肉名 | 機能 | 神経支配 |
|---|---|---|
| **口蓋