第18回 言語聴覚士国家試験 第119問
呼吸系第18回
梨状窩の左右差の評価に最も有用なのはどれか。
- 1.超音波断層像
- 2.嚥下造影側面像
- 3.MRI正中矢状断像
- 4.胸部正面単純エックス線像
- 5.下咽頭・喉頭内視鏡像 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 下咽頭・喉頭内視鏡像
梨状窩の左右差を評価するには、直接視認できる内視鏡が最も有用です。内視鏡は梨状窩の深さ、形態、唾液貯留の左右差を動的にリアルタイム観察でき、嚥下時の梨状窩残留(液体や唾液の停滞)も判定できます。嚥下後残留物の吸引困難性は誤嚥リスク判定に直結するため、臨床的価値が高いのです。
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【各選択肢の解説】
1. 超音波断層像
❌ 誤り。超音波は梨状窩のような深部構造の描出が限定的です。骨や空気が画像化を妨げ、左右差の詳細な評価には向きません。むしろ浅部の舌根の厚さなどに適しています。
2. 嚥下造影側面像
❌ 誤り。嚥下造影は側面像が基本であり、左右差の評価には向きません。前後方向の食塊移動と咽頭期の動態を評価する検査です。梨状窩の左右差を見るには正面像が必要ですが、造影検査では正面像での梨状窩描出が不鮮明になりやすく、実用性に欠けます。
3. MRI正中矢状断像
❌ 誤り。MRIは正中矢状断像では梨状窩の左右差が評価できません。左右差を見るには冠状断像(輪状軟骨レベル)が必要ですが、検査時間が長く、嚥下機能の動的評価も不可能です。臨床の緊急性に対応できません。
4. 胸部正面単純エックス線像
❌ 誤り。単純エックス線では梨状窩の軟部組織構造の詳細は描出されません。梨状窩の形態や左右差を評価する画像分解能が不十分です。
5. 下咽頭・喉頭内視鏡像
✅ 正しい。内視鏡は梨状窩を直視でき、左右の深さ・形態・唾液貯留の有無を動的に観察できます。嚥下後の残留物の左右差も明確に判定でき、臨床的な嚥下機能評価と一体で実施できるため、最も有用です。
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【試験対策ポイント】
梨状窩評価の検査法選択基準:
| 検査法 | 梨状窩構造の視認性 | 左右差評価 | 動的観察 | 臨床実用性 |
|---|---|---|---|---|
| 内視鏡 | 直視で優秀 | 容易 | ○ | 最高 |
| 嚥下造影 | 側面像では不良 | 困難 | ○ | 低 |
| MRI | 冠状断必要 | 可能 | × | 低(時間要) |
| 超音波 | 深部で限定的 | 困難 | △ | 低 |
| 単純X線 | 描出不良 | 不可能 | ○ | 低 |
キーワード:
・梨状窩残留→誤嚥・窒息リスク直結
・内視鏡:下咽頭・喉頭の全域を直視可能
・嚥下造影は「側面像が基本」→左右差評価には向かない
・「左右差」評価の問題では、左右を同時に観察できる検査法を選ぶ