第18回 言語聴覚士国家試験 第127問
心理測定法第18回
恒常法について誤っているのはどれか。
- 1.他の測定法に比べて必要となる試行数が多い。
- 2.測定者が測定値を事前に予測する必要がない。 ✓
- 3.刺激呈示を行わない試行を導入できる。
- 4.測定値は系列効果の影響を受けない。
- 5.心理測定関致を得ることができる。
正答:2番
解説
# 第18回 第127問 解説
■ 正答:2番 — 測定者が測定値を事前に予測する必要がない。
恒常法(常刺激法)では、閾値が含まれると予測される範囲で複数の比較刺激をあらかじめ選定する必要があります。つまり、測定者は測定値(閾値)がおおよそどのあたりにあるかを**事前に予測して刺激範囲を設定**する必要があるため、2番が誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 他の測定法に比べて必要となる試行数が多い。
✅ 正しい。恒常法は数個の比較刺激を各々多数回ランダムに呈示するため、調整法や極限法に比べて試行数が非常に多くなります。
2. 測定者が測定値を事前に予測する必要がない。
❌ 誤り。恒常法では閾値を挟むように比較刺激を5〜7段階程度あらかじめ設定する必要があるため、測定値(閾値)のおおよその位置を事前に予測しておく必要があります。予測せずに刺激を設定すると、全ての刺激が閾値の上または下に偏り、心理測定関数が描けなくなります。
3. 刺激呈示を行わない試行を導入できる。
✅ 正しい。恒常法では「キャッチ試行(ブランク試行)」を挿入することで、被験者の偶然応答や推測反応を検出でき、反応バイアスの評価が可能です。
4. 測定値は系列効果の影響を受けない。
✅ 正しい。恒常法は比較刺激をランダムな順序で呈示するため、極限法のような系統的な系列効果(期待誤差・慣れの誤差)の影響を受けにくいとされています。
5. 心理測定関数を得ることができる。
✅ 正しい。各刺激強度に対する反応確率をプロットすることで、**心理測定関数(psychometric function)**を描くことができ、50%閾値などを統計的に算出できます。
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【試験対策ポイント】
精神物理学的測定法の3大分類を整理:
| 項目 | 恒常法 | 極限法 | 調整法 |
|---|---|---|---|
| 刺激呈示順 | ランダム | 昇順・降順 | 被験者が調整 |
| 試行数 | **多い** | 中程度 | 少ない |
| 事前予測 | **必要** | 不要 | 不要 |
| 系列効果 | 受けにくい | **受けやすい** | 適応効果あり |
| 心理測定関数 | 描ける | 描きにくい | 描けない |
| 精度 | **高い** | 中 | 低 |
**恒常法の最重要ポイント**
- 「試行数が多いが精度が高い」「ランダム呈示で系列効果を回避」「心理測定関数が得られる」が3大特徴
- **「事前予測が不要」は誤り**:閾値付近に刺激を配置する必要があるため予備実験等で予測が必須
- 「キャッチ試行」で反応バイアスを検出できる点も頻出