STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第128問

心理測定法第18回
ピアソンの相関係数が0のときに結論できることはどれか。
  1. 1.信頼性がない。
  2. 2.妥当性がない。
  3. 3.因果関係がない。
  4. 4.相互作用がない。
  5. 5.線形関係がない ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 線形関係がない ピアソンの相関係数は2つの変数間の「線形関係」の強さを示す指標です。相関係数が0ということは、直線的な関係が存在しないことを意味します。ただし、非線形関係(例:曲線関係)は存在する可能性があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 信頼性がない ❌ 誤り。相関係数0は「信頼性がない」ことを示しません。信頼性は「同じ測定対象を繰り返し測定したときの結果の一貫性」であり、ピアソンの相関係数だけでは判断できません。信頼性を評価するには再検査信頼性係数やクロンバックのα係数など別の指標が必要です。 2. 妥当性がない ❌ 誤り。相関係数0は「妥当性がない」ことを意味しません。妥当性は「測定対象が本当に測定したい特性を測定しているか」という問題であり、単一の相関係数では判断不可能です。複数の証拠から総合的に評価されます。 3. 因果関係がない ❌ 誤り。「相関関係がないことが因果関係がないことを意味する」というのは正確ではありません。そもそも相関係数は相関関係の強さを測定するもので、因果関係の有無を直接示しません。「相関があっても因果関係がない場合」もあれば、「相関がなくても潜在的な因果メカニズムが存在する場合」もあります。 4. 相互作用がない ❌ 誤り。ピアソンの相関係数は「2つの変数間の直線的な関係」を測定するもので、相互作用(interaction)の有無を判断する指標ではありません。相互作用の検討は重回帰分析などの多変量解析で行われます。 5. 線形関係がない ✅ 正しい。ピアソンの相関係数が0であるとは、2つの変数間に「線形関係(直線的な関係)が存在しない」ことを意味します。ただし、非線形の曲線関係は存在する可能性があるため注意が必要です。 --- 【試験対策ポイント】 相関係数の役割と限界 | 概念 | ピアソン相関係数で判断可能か | |---|---| | 線形関係の強さ | ✅ 可能(0なら線形関係なし) | | 信頼性 | ❌ 不可(別指標が必要) | | 妥当性 | ❌ 不可(複合的に判断) | | 因果関係 | ❌ 不可(相関と因果は別) | | 非線形関係 | ❌ 検出不可(スピアマン相関やプロット確認が必要) | 重要な混同パターン: - 相関係数0でも「非線形な関係」は存在する場合がある - 相関関係=因果関係ではない(「Aが増えるとBが増える」ことが「AがBの原因である」ことを意味しない) - 相関係数は「どの程度の関係の強さか」を示すだけで、測定自体の品質(信頼性)や妥当性を判断する指標ではない
関連

▶ 第18回 全問一覧

▶ 心理測定法 の過去問一覧