第18回 言語聴覚士国家試験 第129問
精神医学第18回
神経性無食欲症について正しいのはどれか。
a.体重増加に対する強い恐怖は体重減少によって緩和される。
b.体型についての体験および意味かゆがんでいる。
c.男性に比べて女性の方が多い。
d.入院治療は不要である。
e.患者には自分の体重減少についての病識がある。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
神経性無食欲症は、体重に対する過剰な恐怖と体型認識の歪みが中核症状であり、女性(特に思春期〜青年期)に圧倒的に多い(男性の約10倍)。一方、体重減少による安心感と病識の欠如、重症例での入院必要性が特徴です。
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【各選択肢の解説】
a. 体重増加に対する強い恐怖は体重減少によって緩和される。
❌ 誤り。体重減少によって一時的に安心感は得られますが、恐怖そのものは緩和されません。むしろ恐怖が強化され、さらなる体重減少を目指す悪循環に陥ります。
b. 体型についての体験および意味がゆがんでいる。
✅ 正しい。神経性無食欲症の診断基準の重要な要素です。実際より太く見える、または自分の体重減少の重篤さを認識できない「身体像の歪み」が典型的です。
c. 男性に比べて女性の方が多い。
✅ 正しい。神経性無食欲症は女性が男性の約10倍。思春期〜青年期の女性(特に15〜19歳)に最も多く発症します。
d. 入院治療は不要である。
❌ 誤り。体重が標準体重の75%以下、重篤な電解質異常、不整脈など医学的に危険な状態では入院治療が必須です。神経性無食欲症は最も死亡率が高い精神疾患の一つです。
e. 患者には自分の体重減少についての病識がある。
❌ 誤り。神経性無食欲症の患者は、自分の状態の重篤性を認識していないか、過度に過小評価します。「もっと痩せる必要がある」と考えることがほとんどです。
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【試験対策ポイント】
神経性無食欲症の診断基準(DSM-5)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制限摂取 | カロリー摂取の著しい制限による体重低下 |
| 体重への恐怖 | 体重増加への過剰な恐怖(体重減少中でも緩和されない) |
| 身体像の歪み | 自分の体型・体重の知覚の歪みまたは重篤性の過小評価 |
重症度の指標(BMI)
- 軽度:BMI 17.0以上
- 中等度:BMI 16.0〜16.99
- 重度:BMI 15.0〜15.99
- 最重度:BMI 15.0未満
**重要な否定知識**
- 体重減少→一時的安心但し恐怖は消失しない
- 病識がない(「病気ではない」と認識)
- 重症例は死亡リスク高い(精神疾患で最高の死亡率)
- 下位分類:制限型 vs 過食/排出型(自己誘発嘔吐・下剤乱用)