第18回 言語聴覚士国家試験 第130問
心理測定法第18回
心理物理学的測定値に外れ値がある場合に最も適切となる代表値はどれか。
- 1.算術平均値
- 2.幾何平均値
- 3.調和平均値
- 4.中央値 ✓
- 5.最頻値
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 中央値
外れ値がある場合、中央値は算術平均値とは異なり、極端な値の影響を受けません。データを小さい順に並べたときの中央に位置する値であるため、外れ値がどうであっても代表値として頑健(ロバスト)です。心理物理学的測定では測定誤差や異常値が生じやすいため、外れ値への耐性が重要です。
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【各選択肢の解説】
1. 算術平均値
❌ 誤り。算術平均値は全データを使用して計算するため、外れ値の影響を直接受けます。1つの極端な値があるだけで、全体の平均値が大きく変動してしまい、代表値としての信頼性が低下します。
2. 幾何平均値
❌ 誤り。幾何平均値(n乗根)は比率データや乗法的な関係を扱う場合に用いられます。外れ値への耐性は算術平均値と比べても強くなく、心理物理学的測定での外れ値対策としては適切ではありません。
3. 調和平均値
❌ 誤り。調和平均値は速度や密度など、逆数の関係をもつデータに用いられます。外れ値対策としての有効性は低く、一般的な心理測定データへの適用には不適切です。
4. 中央値
✅ 正しい。中央値は順序統計量であり、データを順序付けたときの中央に位置する値です。外れ値がどうであっても、その位置のデータ値を採用するため、極端な値の影響を受けません。外れ値が存在する場合の代表値としては最も頑健です。
5. 最頻値
❌ 誤り。最頻値は最も頻繁に現れる値です。データの分布が一様な場合や、外れ値が複数ある場合には安定性に欠けます。また、心理物理学的測定では連続値が多いため、最頻値の有用性は低いです。
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【試験対策ポイント】
外れ値への耐性比較表
| 代表値 | 外れ値の影響 | 使用場面 | 頑健性 |
|---|---|---|---|
| 算術平均値 | 大きく受ける | 正規分布・外れ値なし | 低 |
| 中央値 | ほぼ受けない | 外れ値・歪んだ分布 | 高 |
| 最頻値 | 分布による | カテゴリデータ | 中程度 |
| 幾何平均値 | 中程度に受ける | 比率・対数的関係 | 中程度 |
| 調和平均値 | 中程度に受ける | 速度・密度 | 中程度 |
重要キーワード
・頑健性(ロバスト性):外れ値に強い統計量
・順序統計量:データの大小順により定義される統計量
・心理物理学的測定:感覚閾値測定など、測定誤差が生じやすい領域
・外れ値:集団から著しく乖離したデータ値
頻出混同ポイント
外れ値がある場合は「平均値」と思い込みやすいが、実際には平均値は外れ値に最も弱い。外れ値対策=中央値と押さえる。