第18回 言語聴覚士国家試験 第13問
精神医学第18回
神経症性障害について正しいのはどれか。
a.身体症状に合致する器質的病変がみられない。
b.現実検討能力は比較的保たれている。
c.自分は病気であると認識している。
d.本人は著しい不安を感じない。
e.症状は不可逆性である。
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b,c
神経症性障害は心理的ストレスが原因で身体症状や不安が生じる疾患ですが、現実検討能力が保たれており、患者は自らの病状を認識しています。症状は可逆性であり、適切な治療により改善します。
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【各選択肢の解説】
a. 身体症状に合致する器質的病変がみられない。
✅ 正しい。神経症性障害の特徴は、身体症状(頭痛・胸痛・めまいなど)の訴えが多いにもかかわらず、画像検査や血液検査などで器質的病変が検出されないことです。これは心因性の症状を示唆しています。
b. 現実検討能力は比較的保たれている。
✅ 正しい。神経症性障害では精神病症状(幻覚・妄想)がなく、患者は現実と非現実を区別できます。この点が統合失調症や躁うつ病などの精神病性疾患との重要な区別点です。
c. 自分は病気であると認識している。
✅ 正しい。神経症性障害の患者は自らが病気であること、症状があることを自覚しており、病識が存在します。統合失調症の多くの患者に病識がない(あるいは不十分)なのとは対照的です。
d. 本人は著しい不安を感じない。
❌ 誤り。神経症性障害の本態は「不安」です。患者は常に著しい不安を経験しており、これが身体症状や行動化につながります。不安の欠如は神経症性障害の特徴と矛盾します。
e. 症状は不可逆性である。
❌ 誤り。神経症性障害の症状は可逆性です。適切な心理社会的治療(認知行動療法・精神療法)や薬物治療により改善・消失することが多く、器質的脳疾患のように進行性・不可逆性ではありません。
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【試験対策ポイント】
精神疾患の分類表
| 疾患 | 現実検討能力 | 病識 | 幻覚・妄想 | 不安 | 器質的病変 |
|---|---|---|---|---|---|
| 神経症性障害 | 保たれる | あり | なし | あり | なし |
| 統合失調症 | 障害される | なし/不十分 | あり | 変動 | なし* |
| 躁うつ病 | 障害される(躁時) | なし/不十分 | あり(躁時)| 変動 | なし* |
| 器質性精神障害 | 障害される | 不十分 | あり | 変動 | あり |
*統合失調症・躁うつ病は一次的な器質的病変がない(脳内神経伝達物質異常が仮説)
神経症性障害の特徴(5点セット)
1. 心因性起源(ストレスが引き金)
2. 身体症状は器質的基盤がない
3. 現実検討能力が保たれている(精神病症状がない)
4. 病識がある
5. 症状は可逆的(治療で改善)
頻出の誤り方:
- 「不安を感じない」を選んでしまう→神経症性障害の本質は不安
- 「症状が不可逆」と思い込む→実は可逆的で治療反応性がある
- 現実検討能力と精神病症状の関係を混同→神経症では保たれている