第18回 言語聴覚士国家試験 第14問
小児科学第18回
熱性痙攣で正しいのはどれか。
- 1.初発時期は新生児期である。
- 2.遺伝的要因を認める。 ✓
- 3.再発率は5%以下である。
- 4.発作持続時間は15分以上である、
- 5.発作後の麻痺を約60%に認める。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 遺伝的要因を認める。
熱性痙攣は発熱時に生じる乳幼児特有の痙攣で、遺伝的素因が強く関与します。両親や親族に熱性痙攣の既往がある場合、発症リスクが有意に高くなることが知られており、多因子遺伝が示唆されています。他の選択肢は熱性痙攣の臨床特性を誤認したものです。
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【各選択肢の解説】
1. 初発時期は新生児期である。
❌ 誤り。熱性痙攣の初発時期は生後6ヶ月〜5歳であり、ピークは1〜3歳です。新生児期(0〜28日)の痙攣は熱性痙攣とは考えられず、他の原因疾患の検索が必要です。
2. 遺伝的要因を認める。
✅ 正しい。熱性痙攣には明らかな遺伝的素因があり、両親や兄弟姉妹に既往者がいると発症リスクが上昇します。単一遺伝子ではなく多因子遺伝が関与しています。
3. 再発率は5%以下である。
❌ 誤り。熱性痙攣の再発率は30〜40%程度と報告されており、決して低くありません。初発年齢が低い、家族歴がある、初発から次の発熱までの期間が短いなどが再発リスク因子です。
4. 発作持続時間は15分以上である。
❌ 誤り。熱性痙攣の発作持続時間は通常5分以内(多くは1〜3分)です。15分以上持続する場合は「熱性痙攣重積」と定義され、より重篤な病態として扱われ、脳損傷リスクが高まります。
5. 発作後の麻痺を約60%に認める。
❌ 誤り。熱性痙攣は予後良好で、発作後の後遺症(麻痺など)はほぼ認められません。発作終了後は神経学的異常所見を示さないことが特徴です。脳波異常や発達遅滞も通常見られません。
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【試験対策ポイント】
熱性痙攣 vs. その他の小児痙攣の比較表
| 項目 | 熱性痙攣 | 乳幼児点頭てんかん | 新生児痙攣 |
|---|---|---|---|
| 初発年齢 | 6ヶ月〜5歳 | 3〜12ヶ月 | 0〜28日 |
| 発作時の体温 | 38℃以上 | 正常 | 正常またはいずれでも |
| 発作持続時間 | 5分以内(多くは1〜3分) | 数秒の群発 | 数秒〜数分 |
| 発作後の麻痺 | なし | なし | あり(脳障害示唆) |
| 発作後の脳波異常 | なし | 高度な異常 | 異常あり |
| 再発率 | 30〜40% | 再発率極めて高い | 予後個別 |
| 遺伝的要因 | あり | あり | 原因による |
熱性痙攣の危険因子(再発予測)
- 初発年齢1歳以下
- 家族歴の存在
- 初回発熱から痙攣までの期間が短い
- 複雑型熱性痙攣(持続時間15分以上、局所性、24時間以内の再発)
熱性痙攣重積の定義
- 単一発作が15分以上持続
- または1時間以内に複数回の痙攣発作(各々の間に意識回復なし)