第18回 言語聴覚士国家試験 第132問
生涯発達心理学第18回
「心の理論」を測定する課題はどれか。
- 1.符号課題
- 2.誤信念課題 ✓
- 3.ジレンマ課題
- 4.文配列課題
- 5.保存課題
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 誤信念課題
「心の理論」は他者の心的状態(信念・欲求・意図)を推測する認知能力です。誤信念課題(false belief task)は、登場人物が実際とは異なる信念を持つ場面を提示し、その人物がどう行動するか予測させることで、心の理論が発達しているかを測定する標準的な課題です。通常3~4歳で正答率が向上し始めます。
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【各選択肢の解説】
1. 符号課題
❌ 誤り。ウェクスラー知能検査(WAIS・WISC)に含まれる処理速度の検査です。記号と数字の対応規則を学習し、対応を記入する速度を測定し、認知速度と注意を評価します。心の理論とは無関係です。
2. 誤信念課題
✅ 正しい。サリー・アン課題が代表例で、「Aさんはボールが実際と異なる場所にあると思っている」という他者の誤った信念を理解できるか測定します。心の理論発達の最重要指標です。
3. ジレンマ課題
❌ 誤り。道徳性発達の測定に用いられます。コールバーグの理論における段階別推論を評価する課題であり、心の理論とは異なる認知領域です。
4. 文配列課題
❌ 誤り。言語理解や処理能力を測定する課題です。提示された単語から文を構成する速度と正確性を評価し、構文処理能力を測定します。心の理論ではなく言語認知機能の検査です。
5. 保存課題
❌ 誤り。ピアジェの認知発達理論における具体的操作段階の測定課題です。液体・物質・数量などが形を変えても量は変わらないことを理解しているか評価し、可逆性と脱中心化の発達を測定します。心の理論とは別の認知機能です。
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【試験対策ポイント】
各課題と測定対象の整理
| 課題名 | 測定対象 | 発達段階の指標 |
|---|---|---|
| 誤信念課題 | 心の理論 | 3~4歳で発達 |
| 保存課題 | 具体的操作(可逆性) | 7~8歳で獲得 |
| ジレンマ課題 | 道徳性推論 | 児童期~成人で段階進行 |
| 符号課題 | 処理速度・注意 | 知能検査の下位検査 |
| 文配列課題 | 言語処理・統語理解 | 言語認知機能 |
キーワード
- 誤信念課題の代表:サリー・アン課題(Sally-Anne task)
- 発達の目安:3歳では失敗→4歳で成功率向上→5歳でほぼ全員正答
- 自閉症スペクトラム障害:心の理論の習得遅延が特徴的所見
- 心の理論の関連概念:メンタライゼーション、意図理解、他者の心の推測