STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第134問

臨床心理学第18回
Horn,J.L.とCattell,R.B.の知能理論において、学習経験の影響を受けやすく、高齢期まで緩やかに増加するとされる知能のことを何と呼ぶか。
  1. 1.情動的知能
  2. 2.動作性知能
  3. 3.流動性知能
  4. 4.博物的知能
  5. 5.結晶性知能 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 結晶性知能 Horn と Cattell による流動性・結晶性知能理論(Gf-Gc理論)において、結晶性知能は個人の学習経験や文化的背景の影響を強く受け、知識・技能として蓄積される知能です。高齢期まで維持・増加し続けるという特徴が特に重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 情動的知能 ❌ 誤り。Goleman が提唱した「感情知能」で、自分や他者の感情を認識・制御する能力を指します。加齢による増減パターンについて、問題文の「高齢期まで緩やかに増加」という説明には該当しません。 2. 動作性知能 ❌ 誤り。Wechsler 知能検査における「動作性IQ」を指し、言語的理解を伴わない視空間的・操作的能力です。むしろ加齢に伴い低下する傾向があり、学習経験の影響の大きさという説明とは相反します。 3. 流動性知能 ❌ 誤り。Horn と Cattell が提唱した 2 つの知能の一方ですが、流動性知能は「生まれながらの推論能力」「新奇な問題解決能力」で、学習経験の影響を受けにくく、むしろ加齢とともに低下します。結晶性知能とは対照的です。 4. 博物的知能 ❌ 誤り。Gardner の「多重知能理論」における自然認識能力であり、Cattell-Horn の古典的知能分類には該当しません。加齢による変化パターンの説明としても不適切です。 5. 結晶性知能 ✅ 正しい。経験・教育・文化の中で蓄積された知識(語彙・一般常識・専門知識など)に基づく知能です。生涯にわたって増加し、高齢期でも維持・向上する特性があり、問題文の説明と完全に一致します。 --- 【試験対策ポイント】 流動性知能 vs 結晶性知能の対比表: | 特性 | 流動性知能(Gf) | 結晶性知能(Gc) | |---|---|---| | 基盤 | 脳の基本的推論能力 | 経験・学習・文化 | | 学習経験の影響 | 受けにくい | 受けやすい | | 加齢に伴う変化 | 20~30歳頃がピーク、その後低下 | 高齢期まで増加・維持 | | 測定方法 | 新奇問題・パターン認識 | 語彙・常識問題 | | 神経基盤 | 前頭葉・前頭前皮質 | 側頭葉・全脳の統合 | キーワード整理: - 「学習経験の影響」→ 結晶性知能 - 「高齢期まで増加」→ 結晶性知能 - 「生まれながら」「推論」「新奇な問題」→ 流動性知能 頻出混同項目: - Wechsler 知能検査の「言語性/動作性」と、Cattell-Horn の「流動性/結晶性」は別の分類体系
関連

▶ 第18回 全問一覧

▶ 臨床心理学 の過去問一覧