第18回 言語聴覚士国家試験 第152問
言語聴覚障害総論第18回
誤っている組合せはどれか。
- 1.Ramig,L.0. ― リー・シルバーマン法
- 2.Skinner,B.F. ― オペラント条件づけ
- 3.Darley,F.L. ― 運動障害性構音障害
- 4.Liepmann,H. ― 失語図式 ✓
- 5.Luria,A.R. ― 機能再編成法
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — Liepmann,H. — 失語図式
Liepmannは失行(apraxia)の理論的基礎を確立した神経学者であり、失語症の図式化(失語図式)とは関連がありません。失語図式はウェルニッケやブローカらの失語症論に関わるもので、Liepmannの専門分野ではありません。
---
【各選択肢の解説】
1. Ramig,L.O. — リー・シルバーマン法
✅ 正しい。Ramigらによって開発された、パーキンソン病患者の音声・構音障害に対する音量増加訓練法で、国際的に認められた治療法です。
2. Skinner,B.F. — オペラント条件づけ
✅ 正しい。Skinnerは行動主義心理学の巨人で、オペラント条件づけ理論を確立しました。言語獲得の行動論的説明の基礎となっています。
3. Darley,F.L. — 運動障害性構音障害
✅ 正しい。Darleyは運動障害性構音障害(dysarthria)の分類体系(Mayo分類:痙性・弛緩性・失調性など5タイプ)を確立した言語病理学者です。
4. Liepmann,H. — 失語図式
❌ 誤り。Liepmannはドイツの神経学者で、失行(ideational apraxia, ideomotor apraxia)の理論的基礎を確立した人物です。失語症の図式化は失語症研究者の領域であり、Liepmannの業績ではありません。
5. Luria,A.R. — 機能再編成法
✅ 正しい。Luriaはソビエト神経心理学の大家で、脳損傷後の機能再編成(functional reorganization)の理論と実践的訓練法を提唱しました。
---
【試験対策ポイント】
重要人物と業績の対応関係(医学史):
| 人物 | 国籍 | 専門分野 | 主要業績 |
|---|---|---|---|
| Ramig, L.O. | 米国 | 音声学・パーキンソン病 | LSVT(リー・シルバーマン音声訓練法) |
| Skinner, B.F. | 米国 | 行動心理学 | オペラント条件づけ理論 |
| Darley, F.L. | 米国 | 言語病理学 | Mayo分類(運動障害性構音障害) |
| Liepmann, H. | ドイツ | 神経学 | **失行の理論**(失語症ではない) |
| Luria, A.R. | ソビエト | 神経心理学 | 機能再編成法・神経心理学的検査 |
**紛らわしい点**
- Liepmannは「神経学者」で「言語病理学者」ではない
- 失行と失語症は異なる障害(失行は運動実行の障害、失語症は言語の障害)
- Luriaは失語症研究でも有名だが、この問では「機能再編成法」に焦点