第18回 言語聴覚士国家試験 第153問
心理測定法第18回
2群の比較に平均値を用いるのが適切でないのはどれか。
- 1.GRBAS尺度の評価点 ✓
- 2.最長発声持続時間
- 3.肺活量
- 4.体温
- 5.知能指数
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — GRBAS尺度の評価点
GRBAS尺度は順序尺度(順序付きカテゴリー変数)であり、平均値を用いた統計処理は適切ではありません。順序尺度には等間隔性がないため、中央値や順位に基づく統計手法(ノンパラメトリック検定)を用いるべきです。
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【各選択肢の解説】
1. GRBAS尺度の評価点
❌ 誤り(適切でない)。GRBAS尺度は「0=正常、1=軽度、2=中等度、3=高度」という順序尺度です。0と1の間隔と1と2の間隔が等しいという保証がないため、平均値を用いた統計検定(t検定など)は不適切です。中央値や順位を用いるノンパラメトリック検定(Mann-Whitney U検定など)を用いるべきです。
2. 最長発声持続時間
✅ 正しい。秒単位で計測される連続変数(比例尺度)であり、等間隔性があります。平均値を用いたt検定やANOVAなどのパラメトリック統計が適切です。
3. 肺活量
✅ 正しい。ml単位で計測される連続変数(比例尺度)であり、等間隔性と絶対的零点があります。平均値を用いたパラメトリック統計が適切です。
4. 体温
✅ 正しい。℃やK単位で計測される連続変数(間隔尺度)であり、等間隔性があります。平均値を用いたパラメトリック統計が適切です。
5. 知能指数
✅ 正しい。IQスコアは間隔尺度(例:WISC-Ⅳなど)として設計されており、等間隔性があります。平均値を用いたパラメトリック統計が適切です。
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【試験対策ポイント】
尺度水準と統計手法の関係
| 尺度水準 | 説明 | 例 | 適切な統計手法 |
|---|---|---|---|
| 名義尺度 | カテゴリーのみ(順序なし) | 性別、診断名 | χ²検定 |
| 順序尺度 | カテゴリーに順序あり(等間隔なし) | GRBAS尺度、症状重症度分類 | Mann-Whitney U、Wilcoxon検定 |
| 間隔尺度 | 等間隔性あり(絶対零点なし) | 体温、知能指数、音圧レベル | t検定、ANOVA |
| 比例尺度 | 等間隔性+絶対零点あり | 長さ、時間、肺活量 | t検定、ANOVA |
GRBAS尺度の特徴
- G(Roughness):嗄声度
- R(Breathiness):気息性
- B(Breathy):開鼻声程度
- A(Asthenia):無力度
- S(Strain):努力感
- 各項目:0~3の4段階評価(順序尺度)
頻出:「GRBAS→ノンパラメトリック」は、ST国試の統計問題で最も狙われやすい組み合わせです。