第18回 言語聴覚士国家試験 第155問
失語症第18回
失語における非流暢性発話の特徴として正しいのはどれか。
a.発話の長さが短い。
b.文法構造が単純である。
c.音韻性錯語や語性錯語が多い。
d.実質語が機能語に比べて少ない。
e.日本語として自然なプロソディである。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
非流暢性失語(Broca失語など)では、発話努力が大きく、発話量が少なく、発話が断綴的になります。短い発話の中でも文法的な構造が単純化される(特に機能語の省略)特徴があります。
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【各選択肢の解説】
a. 発話の長さが短い。
✅ 正しい。非流暢性失語者は発話生成に大きな努力を要するため、1発話当たりの語数が著しく少なくなります(典型的に1〜5語程度)。
b. 文法構造が単純である。
✅ 正しい。非流暢性失語では機能語(助詞・動詞活用など)が脱落しやすく、「テレグラフィックスピーチ」と呼ばれる、実質語のみで構成された簡潔な文法構造となります。例:「私・昨日・病院・行く」(「へ」「ました」などが脱落)。
c. 音韻性錯語や語性錯語が多い。
❌ 誤り。錯語(特に音韻性・語性)は流暢性失語(Wernicke失語)の特徴です。非流暢性失語では錯語は比較的少なく、むしろ発話が止まる(発話困難)ことが主たる問題です。
d. 実質語が機能語に比べて少ない。
❌ 誤り。むしろ「実質語が機能語に比べて『多い』」が特徴です。非流暢性失語では機能語が脱落しやすいため、相対的に実質語の割合が高くなります。
e. 日本語として自然なプロソディである。
❌ 誤り。非流暢性失語では発話が遅く、断綴的(1語1語努力して産生)になり、プロソディが不自然です。流暢性失語のような自然なプロソディは失われます。
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【試験対策ポイント】
| 項目 | 非流暢性失語(Broca等) | 流暢性失語(Wernicke等) |
|---|---|---|
| 発話長 | 短い ◎ | 長い |
| 文法 | 単純 ◎ | 比較的保持 |
| 錯語 | 少ない | 多い(音韻性・語性) |
| 実質語:機能語 | 実質語多い(機能語脱落) | 比較的保持 |
| プロソディ | 不自然・断綴的 | 自然 |
| 理解 | 良好 | 不良 |
| 復唱 | 不良 | 不良 |
キーワード:
- テレグラフィックスピーチ=短語連鎖的発話(実質語のみ)
- 機能語脱落は非流暢性失語の典型
- 「多い・少ない」は常に比較対象を確認する(実質語「が」機能語「に比べて」という表現に注意)