第18回 言語聴覚士国家試験 第158問
失語症第18回
談話レベルの評価が可能なのはどれか。
- 1.語列挙検査
- 2.モーラ分解・抽出検査
- 3.4コマ漫画の口頭説明 ✓
- 4.失語症構文検査の産生項目
- 5.重度失語症検査の非言語記号課題
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 4コマ漫画の口頭説明
談話レベルの評価とは、単語や文ではなく複数の文から成る「物語や説明の流れ全体」を評価することです。4コマ漫画の口頭説明は、視覚情報から物語の筋を読み取り、時間的因果関係を含めて複数文で説明する必要があり、典型的な談話レベル評価です。文法的正確性だけでなく、情報量、論理性、談話の構成力なども同時に評価できます。
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【各選択肢の解説】
1. 語列挙検査
❌ 誤り。これは単語レベルの検査です。カテゴリー別(例:動物、野菜など)に思いつく限りの単語を挙げさせる検査で、音韻流暢性・意味的流暢性を評価しますが、談話レベルの評価ではありません。
2. モーラ分解・抽出検査
❌ 誤り。これは音韻レベルの検査です。提示された語をモーラに分解したり、特定の音を含む語を抽出させたりするもので、音韻処理能力を評価する検査であり談話評価ではありません。
3. 4コマ漫画の口頭説明
✅ 正しい。これは典型的な談話レベル評価です。被験者は複数の絵から物語の意味を解釈し、時系列に沿って複文で説明する必要があります。情報の正確性、文法的複雑性、論理的つながり、冗長性なども評価できます。失語症の実用的な言語機能を把握するのに最適です。
4. 失語症構文検査の産生項目
❌ 誤り。失語症構文検査は文レベルの検査です。特定の文法構造(受動態、二重目的語構文など)を産生させるもので、統語能力を評価しますが、複数文からなる談話を評価対象にしていません。
5. 重度失語症検査の非言語記号課題
❌ 誤り。非言語記号課題(マッチングや選択など)は符号レベルの評価です。言語記号の理解を問うもので、会話や説明といった談話を通じた自発的な言語運用能力を評価するものではありません。
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【試験対策ポイント】
言語評価のレベル階層表:
| レベル | 対象 | 評価内容 | 検査例 |
|---|---|---|---|
| 符号(音韻・語彙) | 音・単語 | 音韻判断・語彙知識 | 音韻判断検査・語列挙検査 |
| 統語(文) | 文構造 | 文法・構文理解産生 | 構文検査・統語理解検査 |
| 談話 | 複数文からなる物語・説明 | 情報量・論理性・因果関係・構成力 | 4コマ漫画説明・物語再生・会話分析 |
重要な区別ポイント:
- 「産生」という言葉は文レベルまで(単文産生)
- 「説明」「描写」「再生」→談話レベルの可能性が高い
- 自発的・実用的な言語運用を評価したい→談話レベル
- 会話能力を反映するのは「談話評価」(1文だけでは判断不可)