第18回 言語聴覚士国家試験 第159問
失語症第18回
発語失行の訓練法として適切でないのはどれか。
- 1.模倣
- 2.指折り法
- 3.発音定位法
- 4.マッピング訓練 ✓
- 5.メロディック・イントネーション・セラピー
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — マッピング訓練
マッピング訓練は意味関係の理解と語彙拡大を目的とする訓練法であり、運動の規則性を回復させることを目指す発語失行の訓練には適していません。発語失行は「音の正確な産生」という運動的問題であるため、音韻・運動の回復に焦点を当てた訓練が必要です。
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【各選択肢の解説】
1. 模倣
✅ 正しい。発語失行患者に聴覚フィードバックと視覚的モデリングを同時に提供でき、正確な音の再現を促す基本的で有効な訓練法です。
2. 指折り法
✅ 正しい。音節数を指で数えながら発話させる訓練で、リズムや音節の規則化に有効です。発語失行特有のアーティキュレーションの失調に対応します。
3. 発音定位法
✅ 正しい。調音点・調音様式を患者に意識させながら正確な音産生を促す訓練法です。発語失行の「どうやって口を動かすか」という運動的問題に直接対応します。
4. マッピング訓練
❌ 誤り。マッピング訓練は概念地図で単語間の意味関係を可視化し、語彙の体系化と理解促進を目的とした訓練です。発語失行の運動的側面の回復にはアプローチしません。
5. メロディック・イントネーション・セラピー(MIT)
✅ 正しい。音韻要素にメロディ・イントネーションを付加させることで、左半球損傷後の音韻産生機構の回復を促す訓練法です。Broca失語の構音改善にも用いられます。
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【試験対策ポイント】
発語失行 vs 失語症の訓練法の違い
| 訓練法 | 対象障害 | 焦点 |
|---|---|---|
| 模倣・発音定位法・指折り法 | 発語失行 | 音の運動的産生 |
| マッピング訓練・語義訓練・カテゴリー訓練 | 失語症(語彙・意味) | 言語理解・語彙体系 |
| メロディック・イントネーション・セラピー | 発語失行・Broca失語 | リズム・イントネーション活用 |
発語失行の本態:「音韻計画の立案」「運動プログラムの実行」段階での障害
→ 訓練は「音の正確性」「運動の規則化」に集中
キーワード
- マッピング訓練=意味的アプローチ(失語症向け)
- 発音定位法=音韻的アプローチ(発語失行向け)