第18回 言語聴覚士国家試験 第16問
内科学第18回
誤っている組合せはどれか。
- 1.バセドウ病 ― 頻 脈
- 2.成長ホルモン分泌過剰 ― 末端肥大症
- 3.クッシング症候群 ― 満月様顔貌
- 4.褐色細胞腫 ― 徐脈 ✓
- 5.下垂体後葉機能低下 ― 尿崩症
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 褐色細胞腫 — 徐脈
褐色細胞腫はカテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を過剰に分泌するため、交感神経優位状態となり頻脈を呈します。徐脈は誤った組合せです。
---
【各選択肢の解説】
1. バセドウ病 — 頻脈
✅ 正しい。甲状腺ホルモン過剰により代謝が亢進し、交感神経系が優位になるため頻脈が生じます。他に熱感、発汗、手指振戦も典型症状です。
2. 成長ホルモン分泌過剰 — 末端肥大症
✅ 正しい。成人後に成長ホルモンが過剰分泌されると、骨端線が既に閉鎖しているため縦軸方向には伸長できず、顔面・手指・足などの末端部の肥大(末端肥大症)が生じます。
3. クッシング症候群 — 満月様顔貌
✅ 正しい。コルチゾール過剰により脂肪が顔面や上背部に異常沈着し、満月のように丸い顔貌(満月様顔貌)、肩背部の脂肪沈着(buffalo hump)が特徴です。
4. 褐色細胞腫 — 徐脈
❌ 誤り。褐色細胞腫はカテコールアミン産生腫瘍であり、アドレナリン・ノルアドレナリンの過剰分泌により交感神経優位となるため頻脈を呈します。徐脈は起こりません。
5. 下垂体後葉機能低下 — 尿崩症
✅ 正しい。下垂体後葉は抗利尿ホルモン(ADH/バソプレッシン)を産生・分泌します。後葉機能低下によりADH分泌が低下すると、尿の濃縮能が失われ大量の希薄尿が排出される尿崩症となります。
---
【試験対策ポイント】
内分泌・代謝疾患と主要症状の組み合わせ
| 疾患 | ホルモン異常 | 主要症状 | 心拍出動 |
|---|---|---|---|
| バセドウ病 | 甲状腺ホルモン↑ | 頻脈・熱感・発汗・手指振戦 | 頻脈 |
| 褐色細胞腫 | カテコールアミン↑ | 頭痛・発汗・動悸・高血圧 | 頻脈 |
| クッシング症候群 | コルチゾール↑ | 満月様顔貌・中枢性肥満・筋力低下 | 頻脈傾向 |
| 末端肥大症 | 成長ホルモン↑ | 末端肥大・巨舌・糖尿病 | 正常〜頻脈 |
| 尿崩症 | ADH↓ | 多尿・多飲・脱水 | 正常 |
紛らわしい点:
- 褐色細胞腫と甲状腺機能亢進症は共に頻脈・発汗を呈するが、褐色細胞腫は急激な血圧上昇が特徴(paroxysmal hypertension)
- 褐色細胞腫で徐脈が起こることはない(むしろ交感神経優位で頻脈)
- 下垂体後葉機能低下は「中枢性尿崩症」の原因(腎臓が正常でもADH不足で尿濃縮不可)