STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第163問

高次脳機能障害第18回
左片麻痺に合併する頻度が高いのはどれか。 a.観念性失行 b.構成障害 c.半側空間無視 d.視覚性失認 e.純粋語聾 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 左片麻痺は右半球障害を示唆し、右半球は空間認識・構成機能を担当しています。構成障害と半側空間無視は右半球病変で高頻度に合併します。左片麻痺患者ではこの2つが典型的に観察されます。 --- 【各選択肢の解説】 a. 観念性失行 ❌ 誤り。観念性失行は物体の使用方法を忘れる失行で、左半球(優位半球)の障害、特にBroca野付近の病変で生じやすい。左片麻痺(右半球障害)では比較的稀である。 b. 構成障害 ✅ 正しい。構成障害は図形や空間構造の描画・組立能力の低下で、右頭頂葉後部の障害で典型的に起こる。立方体描画やRey図形模写の困難が特徴で、左片麻痺患者で高頻度に認められる。 c. 半側空間無視 ✅ 正しい。半側空間無視は右半球頭頂葉損傷の古典的症状で、左側空間への注意障害である。左片麻痺患者では最も高頻度に合併する高次脳機能障害の1つで、食事時の片側見落としなど日常生活に大きく影響する。 d. 視覚性失認 ❌ 誤り。視覚性失認は対象物を視覚的に認識できない障害で、両側の後頭葉-側頭葉接合部の広範な損傷を要する。単一の半球損傷(左片麻痺)では稀である。 e. 純粋語聾 ❌ 誤り。純粋語聾は聴覚皮質の選択的損傷により言語音は聞き取れないが非言語音は理解できる稀な症状で、左半球優位側の障害が必須。右半球障害の左片麻痺では起こらない。 --- 【試験対策ポイント】 | 症状 | 主要障害部位 | 左片麻痺との合併頻度 | |---|---|---| | 構成障害 | 右頭頂葉後部 | 高頻度 ✅ | | 半側空間無視 | 右頭頂葉・前頭葉 | 高頻度 ✅ | | 観念性失行 | 左半球(優位半球) | 低い ❌ | | 視覚性失認 | 両側後頭-側頭葉 | 低い ❌ | | 純粋語聾 | 左聴覚皮質 | 低い ❌ | **左片麻痺=右半球病変の証** →右半球の機能:空間認識・構成機能・図形知覚 →左片麻痺患者のスクリーニングに「時計描画テスト」が有用(構成障害+半側空間無視を同時検出) **紛らわしい失行の区別** - 観念性失行:左半球(行為プログラムの障害) - 観念運動失行:左頭頂葉(運動意図の障害) - 構成失行:右半球(空間的位置関係の障害)
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