STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第164問

言語発達学第18回
正しい組合せはどれか。 a.ボールのやりとり ― 三項関係 b.描 画 ― ナラティブ c.イナイイナイバー ― 心の理論 d.ごっこ遊び ― 象徴機能 e.しりとり ― 音韻意識 1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — a,d,e 言語発達を支える認知・社会的基盤と、それぞれの発達段階を正確に対応させる問題です。正答の組合せa・d・eは、乳幼児期から学童期にかけての発達段階を反映した典型的な対応関係です。 --- 【各選択肢の解説】 a. ボールのやりとり — 三項関係 ✅ 正しい。ボールのやりとりは生後9~12ヶ月頃に出現し、乳幼児が「子ども」「大人」「物(ボール)」の3者の関係を認識する典型的な行動です。三項関係は言語習得の基盤となり、共同注視(共同参照)の発達を示します。 b. 描画 — ナラティブ ❌ 誤り。描画は象徴機能の発達を示す行動(1~2歳から)ですが、ナラティブ(物語的な話の構成)は4~5歳以降の就学前期~学童期に発達します。時間軸が合致していません。 c. イナイイナイバー — 心の理論 ❌ 誤り。いないいないばーは生後6~12ヶ月の物体の永続性と注視の共有を示す遊びであり、心の理論(他者の信念・意図の理解)の発達は3~4歳以降です。認知発達段階が大きく異なります。 d. ごっこ遊び — 象徴機能 ✅ 正しい。ごっこ遊び(象徴遊び)は1~2歳から出現し、物を別の物として扱う象徴機能の典型的な表現です。ピアジェの認知発達理論における前操作期の特徴行動であり、言語発達と並行して発達します。 e. しりとり — 音韻意識 ✅ 正しい。しりとりは4~5歳以降(特に就学後)に可能になり、音韻単位での意識操作を要求する活動です。音韻意識はリテラシー習得の重要な前駆スキルであり、メタ言語能力を示します。 --- 【試験対策ポイント】 発達段階と認知・社会機能の対応関係 | 発達時期 | 出現する遊び・行動 | 発達する能力 | |---|---|---| | 生後6~9ヶ月 | いないいないばー | 物体の永続性・共同注視 | | 生後9~12ヶ月 | ボールのやりとり | 三項関係・共同参照 | | 1~2歳 | ごっこ遊び・描画 | 象徴機能 | | 3~4歳 | ロールプレイの複雑化 | 心の理論・メンタライジング | | 4~5歳 | しりとり・ウソをつく | 音韻意識・メタ言語能力 | 紛らわしい組合せの区別 ・「描画」と「ごっこ遊び」:両方とも象徴機能だが、描画は視覚表現、ごっこ遊びは行為表現 ・「いないいないばー」と「心の理論」:前者は生後6~9ヶ月の物体認識、後者は3~4歳の他者心的状態の理解で別段階 ・「音韻意識」の習得時期:日本語では就学児が最適段階(ひらがな学習と連動) 試験での選別法 各項目が「いつ発達するか」の時間軸を軸に評価することが重要です。ナラティブやしりとりなど「音や意味の抽象化」を要する能力は4~5歳以降の発達です。
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