STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第166問

言語発達障害学第18回
ダウン症の言語発達で誤っているのはどれか。
  1. 1.ボキャブラリースパートがある。
  2. 2.運動発達より言語発達が遅れる。
  3. 3.概念の広がりが狭い。
  4. 4.受動態の使用制限がある。
  5. 5.語用は統語より遅れる。 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 語用は統語より遅れる ダウン症の言語発達では、統語能力の習得が大きく遅れる特徴があります。一方、語用(プラグマティクス)は比較的保持されており、むしろ統語より相対的に良好です。つまり、「語用は統語より遅れる」という記述は誤りであり、実際は「統語が語用より大きく遅れる」が正しい特徴です。 --- 【各選択肢の解説】 1. ボキャブラリースパートがある ✅ 正しい。ダウン症児は言語発達が遅れる中で、ボキャブラリー(語彙)の習得に一時的な加速期(スパート)が見られることがあります。運動発達や概念発達のスパートとは異なる時期に出現します。 2. 運動発達より言語発達が遅れる ✅ 正しい。ダウン症の典型的な特徴の一つです。低筋緊張や協調運動の困難があるため、運動発達も全体的に遅れていますが、言語発達はさらに遅れ、運動発達との間に乖離が生じます。 3. 概念の広がりが狭い ✅ 正しい。ダウン症では認知能力が低く、概念形成が限定的になります。語彙の習得後も、その語が指す概念の範囲が狭く、一般化や転移が困難な傾向があります。 4. 受動態の使用制限がある ✅ 正しい。ダウン症児は統語能力、特に複雑な文法構造の習得が顕著に遅れます。受動態は相対的に習得が遅く、文法的に複雑な構文の使用が制限されます。 5. 語用は統語より遅れる ❌ 誤り。ダウン症の言語発達の重要な特徴は、むしろ逆です。社会的相互作用への関心や意図的コミュニケーション能力(語用)は比較的保持される傾向があり、統語能力のように大きく遅れません。統語の習得困難は言語発達プロファイルの顕著な特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 ダウン症の言語発達プロファイル | 領域 | 特徴 | |---|---| | 統語能力 | 著しく遅れる(最大の弱点) | | 語用能力 | 比較的保持される | | 語彙数 | 遅れるが、ボキャブラリースパート出現あり | | 概念形成 | 狭く、一般化困難 | | 運動発達 | 遅れるが、言語より相対的に良好 | | 受動態 | 習得困難・使用制限 | 頻出誤解パターン - 「ダウン症=全領域均等に遅れる」→不正解。プロファイルに凹凸がある - 「語用も統語も等しく遅れる」→不正解。語用が相対的に良い - 「概念が広がりやすい」→不正解。むしろ狭い 重要キーワード - 社会的コミュニケーション欲求=比較的良好(自閉症スペクトラムとの対比) - 複雑統語構造(受動態・関係節)=最大の困難
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