STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第167問

脳性麻痺第18回
脳性麻痺児の知的レベルを測定する際に気をつけるべき事項で誤っているのはどれか。
  1. 1.複数の検査を併用して行う。
  2. 2.検査の標準手順を変更せず行う。 ✓
  3. 3.子供との信頼関係を損なわず行う。
  4. 4.日をおいて継続的に評価する。
  5. 5.日常生活からの情報を得る。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 検査の標準手順を変更せず行う。 脳性麻痺児の知能測定では、重度の運動障害や感覚障害、コミュニケーション困難がある場合、標準手順の厳密な遵守が必ずしも適切ではありません。むしろ子どもの障害特性に応じて検査方法を工夫・修正することで、より正確な能力把握が可能になります。標準手順の「厳格な維持」を求めることは、脳性麻痺児の評価では誤った方針です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 複数の検査を併用して行う。 ✅ 正しい。脳性麻痺児は運動障害、感覚障害、コミュニケーション能力の障害が複合する場合が多いため、複数の検査(新版K式発達検査、WISC、適応行動尺度など)を併用することで、より包括的かつ正確な知的レベルを評価できます。 2. 検査の標準手順を変更せず行う。 ❌ 誤り。脳性麻痺児は手指の巧緻性低下や発語困難など、標準的な検査遂行が困難な場合があります。このため、回答方法の工夫(口頭回答ではなくアイトラッキング、指差しなど)、検査項目の順序変更、タイムプレッシャーの調整など、適切な修正が必要です。標準手順の厳密な遵守は、むしろ真の能力を過小評価させる危険があります。 3. 子供との信頼関係を損なわず行う。 ✅ 正しい。検査中の子どもの不安や緊張を軽減し、リラックスした状態を保つことで、より信頼性の高い結果が得られます。強圧的な検査は無効な回答を増やします。 4. 日をおいて継続的に評価する。 ✅ 正しい。脳性麻痺児は疲労・体調変動の影響を受けやすいため、単一の検査時点での評価では不十分です。複数回の評価で一貫性を確認することが重要です。 5. 日常生活からの情報を得る。 ✅ 正しい。保護者や保育士・教員からの日常生活での行動観察、適応能力(自理行為、対人関係など)を含めることで、検査室での限定的な場面評価の補完ができます。 --- 【試験対策ポイント】 【脳性麻痺児の知能評価の重要原則】 | 原則 | 内容 | 理由 | |---|---|---| | 検査方法の工夫 | 標準手順を「修正」する | 運動・感覚障害に対応させる | | 複数検査の併用 | 包括的評価 | 単一検査では真の能力把握が困難 | | 複数回評価 | 日をおいて実施 | 疲労・体調の影響を除外 | | 環境調整 | リラックス・信頼関係維持 | 不安による過小評価を防ぐ | | 日常情報 | 家庭・学校での観察 | 検査場面での能力と乖離を補正 | 【標準手順「遵守」vs「修正」の区別】 - 「遵守すべき」:検査項目の本質的目的(例:学習支援の必要性判断) - 「修正可:回答方法(筆記→口頭、口頭→指差し)、提示方法(視覚支援の追加)、時間設定(タイムプレッシャーの除外) 【頻出の類似誤り設問への対策】 - 「標準化された検査を用いるべき」→正しい - 「標準手順を厳密に守るべき」→脳性麻痺児では誤り - この区別
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