第23回 言語聴覚士国家試験 第165問
脳性麻痺第23回
脳性麻痺について正しいのはどれか。
a.大島の分類1~5が重症心身障害とされる。
b.脳室周囲白質軟化症は視覚認知障害の原因になる。
c.症状は満2歳までに発現する。
d.発症率は10,000人に2人程度である。
e.低出生体重児の治療法の進歩に伴い痙直型が減少している。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
脳性麻痺の診断基準は「受胎から生後28日以内に生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的ではあるが不変ではない運動機能障害」です。症状は満2歳までに診断されることが診断基準として重要であり、脳室周囲白質軟化症は水頭症や視覚認知障害などの予後不良因子になります。
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【各選択肢の解説】
a. 大島の分類1~5が重症心身障害とされる
❌ 誤り。大島の分類で重症心身障害に該当するのは大島分類「4~5」のみです。1~3は知的障害と運動障害があっても重症心身障害の定義(運動能力と知能がともに最重度水準)には該当しません。
b. 脳室周囲白質軟化症は視覚認知障害の原因になる
✅ 正しい。脳室周囲白質軟化症(PVL)は低出生体重児(特に超低出生体重児)に多く見られ、視覚経路の損傷により視覚認知障害(物体視覚認知障害など)や眼球運動障害の原因となります。脳性麻痺の予後不良因子です。
c. 症状は満2歳までに発現する
✅ 正しい。脳性麻痺の国際合意的な診断定義では「受胎から生後28日以内の脳病変が原因で、症状は通常満2歳までに診断される」と明記されています。これが脳性麻痺と後天性脳損傷の区別に用いられる重要な基準です。
d. 発症率は10,000人に2人程度である
❌ 誤り。脳性麻痺の発症率は「10,000人に2~3人」(0.2~0.3/1000出生)とされていますが、本邦では「1,000人に1~2人」という報告もあり、設問の「10,000人に2人」は正確性が低い表現です。また、小児科学における標準的記述は「出生1,000人に2~3人」です。
e. 低出生体重児の治療法の進歩に伴い痙直型が減少している
❌ 誤り。低出生体重児管理の進歩により「呼吸窮迫症候群や脳室内出血」などの急性合併症は減少しましたが、脳性麻痺の型別発症率(痙直型約70~75%、失調型約5~10%、不随意運動型約10~15%)は大きく変わっていません。むしろ超低出生体重児の生存率向上に伴い、脳性麻痺の絶対数は維持されている傾向にあります。
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【試験対策ポイント】
脳性麻痺の診断基準(厚労省・医学的定義)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発症時期 | 受胎から生後28日以内の脳病変 |
| 診断時期 | 症状は通常満2歳までに診断される |
| 病態 | 非進行性であるが不変ではない |
| 徴候 | 永続的な運動機能障害 |
脳性麻痺の型と頻度
- 痙直型:70~75%
- 失調型:5~10%
- 不随意運動型:10~15%
- 混合型:少数
大島の分類(知的障害+運動障害の程度)
| 分類 | 知的障害 | 運動障害 | 重症心身障害該当 |
|---|---|---|---|
| 1 | 軽度 | 軽度 | ❌ |
| 2 | 中度 | 中度 | ❌ |
| 3 | 中度 | 重度 | ❌ |
| 4 | 重度 | 重度 |