STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第21回 言語聴覚士国家試験 第72問

脳性麻痺第21回
脳性麻痺児の乳児期における支援で誤っているのはどれか。
  1. 1.意図的発声を促す。
  2. 2.マカトン法を導入する。 ✓
  3. 3.母子相互作用を促す。
  4. 4.対物関係の機会を増やす。
  5. 5.摂食・嚥下機能を高める。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — マカトン法を導入する。 マカトン法は手話と音声言語を組み合わせた言語支援法で、対象は知的障害児や自閉症スペクトラム障害児など語言発達遅滞児です。乳児期(0~1歳)の脳性麻痺児は、知的障害がない限り、標準的な音声言語獲得の道筋をたどる可能性が高く、この時期に補助的コミュニケーション手段(AAC)であるマカトン法を導入することは発達段階に不適切です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 意図的発声を促す。 ✅ 正しい。乳児期は音韻体系の基礎が形成される重要な時期であり、発声の促進は音声言語獲得の発達を支援する上で重要な介入です。 2. マカトン法を導入する。 ❌ 誤り。マカトン法は乳児期の脳性麻痺児には適応外です。通常、言語発達遅滞が確認された幼児以降の段階で、かつ知的障害や他の言語習得困難がある場合に検討されます。 3. 母子相互作用を促す。 ✅ 正しい。乳児期における言語・社会性発達の基盤は母子相互作用(アタッチメント形成と相互応答的やりとり)であり、脳性麻痺児であっても家族支援を通じた相互作用促進は重要な介入です。 4. 対物関係の機会を増やす。 ✅ 正しい。環境との相互作用(玩具操作、探索活動)は認知発達と言語理解(語彙獲得の基盤)を促進するため、脳性麻痺児でも機会を増やすことは適切です。 5. 摂食・嚥下機能を高める。 ✅ 正しい。脳性麻痺は口腔運動機能に影響することが多く(とくに不随意運動型)、乳児期からの摂食機能促進は栄養摂取と構音発達の基盤を整備する上で必須です。 --- 【試験対策ポイント】 発達段階と支援方法の適合性が判定基準: | 支援方法 | 乳児期(0-1歳) | 判定 | |---|---|---| | 意図的発声促進 | 音韻体系基礎形成 | ✅ 適切 | | マカトン法 | AAC(語言遅滞児用) | ❌ 不適切 | | 母子相互作用 | アタッチメント・相互応答性 | ✅ 適切 | | 対物関係機会 | 認知発達・語彙理解の基盤 | ✅ 適切 | | 摂食・嚥下機能 | 栄養摂取・口腔運動基礎 | ✅ 適切 | マカトン法の適用時期:幼児期以降、かつ知的障害や音声言語習得困難が明確な場合 キーワード:「AAC(代替・補助コミュニケーション)」は音声言語獲得が困難と判定された段階での選択肢
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