STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第169問

言語発達障害学第18回
発達性読み書き障害について誤っているのはどれか。
  1. 1.何度も書いて覚える方法が学習の成果が上がりやすい。 ✓
  2. 2.読み障害が認められれば書字障害もみられる。
  3. 3.書字障害は単独でも出現する。
  4. 4.RANの成績は読み書き能力と関連する。
  5. 5.母語によって発症率に差がある。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 何度も書いて覚える方法が学習の成果が上がりやすい。 発達性読み書き障害児は、単純な反復練習(何度も書く)では学習効果が上がりにくいというが重要な特徴です。むしろ、多感覚的アプローチ(視覚・聴覚・触覚を統合した学習)や、音韻意識を高める訓練の方が効果的とされています。 --- 【各選択肢の解説】 1. 何度も書いて覚える方法が学習の成果が上がりやすい。 ❌ 誤り。発達性読み書き障害児は、単なる反復練習では学習成果が上がりません。むしろ多感覚的アプローチ(フォニックス指導など)や音韻意識訓練が効果的です。 2. 読み障害が認められれば書字障害もみられる。 ✅ 正しい。読み障害と書字障害は併存することが多く、両者は密接に関連しています。読み能力の低下が書字能力にも影響を及ぼします。 3. 書字障害は単独でも出現する。 ✅ 正しい。読み障害がなく、書字障害のみが出現する場合もあります。これは限局性学習障害(LD)の特徴で、障害が特定の領域に限定される場合があります。 4. RANの成績は読み書き能力と関連する。 ✅ 正しい。RAN(視覚命名速度検査:Rapid Automatized Naming)は、読み書き能力と強い相関があり、読み書き障害のスクリーニング検査として有用です。 5. 母語によって発症率に差がある。 ✅ 正しい。文字体系(アルファベット言語 vs 表意文字)によって読み書き障害の発症率や表現形式が異なります。例えば、日本語では漢字と仮名で異なるパターンを示すことがあります。 --- 【試験対策ポイント】 発達性読み書き障害の学習支援:反復練習 ≠ 効果的 | 無効な方法 | 有効な方法 | |---|---| | 何度も書く練習 | フォニックス指導 | | 単純な音読練習 | 音韻意識訓練 | | 読み上げの聞き流し | 多感覚的アプローチ(視聴覚触覚統合) | 読み書き障害の二重乖離パターン: ・読み障害 + 書字障害(併存が一般的) ・書字障害のみ(単独出現も可能) ・読み障害のみ(比較的稀) RAN(視覚命名速度): ・色・物・数字・文字を素早く命名する時間を測定 ・読み書き能力の強い予測因子 ・音韻処理速度の指標となる 母語による違い: ・アルファベット言語:音韻障害が中心 ・日本語:漢字vs仮名で異なる障害パターン
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