STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第173問

言語発達障害学第18回
ひらがな未習得の言語発達障害児に対して文字単語と絵との結合学習を行う。最初に導入する語彙の組合せで適切なのはどれか。 a.め、き、は b.て、くつ、あいす c.あか、あし、あお d.いぬ、ねこ、うま e.すいか、にわとり、ひこうき 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — a,b ひらがな未習得児への文字学習導入では、音韻構造の単純性と認知負荷のバランスが重要です。選択肢a(め、き、は)と選択肢b(て、くつ、あいす)は、いずれも「子音+母音」または「子音+母音+子音」の比較的単純な音韻構造を含み、文字と絵の結合学習の初期段階に適しています。これに対し、c~eは音韻構造がより複雑で、色彩語や多音節語を含むため、導入段階には認知負荷が高すぎます。 --- 【各選択肢の解説】 a. め、き、は ✅ 正しい。いずれも「子音+母音」の2音構造(CV型)で、最も単純な音韻パターンです。文字と絵の結合学習における認知的処理が最小限であり、導入段階として最適です。 b. て、くつ、あいす ✅ 正しい。「て」は2音、「くつ」は2音(促音含む)、「あいす」は3音で、段階的な複雑さが含まれますが、すべて身近な物や身体部位であり、絵との対応が明確です。初期学習の動機づけとしても有効です。 c. あか、あし、あお ❌ 誤り。「あか」「あお」は色彩語で、具体的な実物との結合が曖昧です(色は物質そのものではなく属性)。また、「あし」と「あか」は音韻的に類似(初頭音が「あ」で共通)しており、弁別学習の干渉が生じます。 d. いぬ、ねこ、うま ❌ 誤り。すべて具体物で適切に思えますが、これら3語は高い意味的関連性(すべて動物)を持つため、文字学習時に意味カテゴリーによる混同が生じやすく、文字と音の関連付けの学習効率が低下します。 e. すいか、にわとり、ひこうき ❌ 誤り。「すいか」(3音)「にわとり」(4音)「ひこうき」(4音)と音韻構造が複雑で、ひらがな未習得児にとって音韻処理とグラフィック認知の両立が困難です。特に「にわとり」「ひこうき」は4音で、初期段階の認知負荷として不適切です。 --- 【試験対策ポイント】 導入語彙選択の4つの観点 | 観点 | 好ましい特性 | c~eが不適切な理由 | |---|---|---| | 音韻構造 | CV型(2音)または3音以下 | e:3~4音で複雑 | | 意味的関連性 | 相互に独立・異なる意味カテゴリー | d:全て「動物」で干渉リスク高 | | 具体性 | 具体物・身体部位・行動 | c:「色」は属性=抽象的 | | 音韻的弁別性 | 初頭音・音節数が明確に異なる | c:「あか」「あお」初頭音共通 | 導入段階での「段階的複雑化」 - 1段階目(最初):「め」「き」など2音語のみ - 2段階目:2音語に3音語を混在(「くつ」「あいす」) - 3段階目以降:4音語や音韻的に複雑な語彙を導入 「弁別学習」の原則 文字学習初期は、視覚(文字形)と聴覚(音)の結合を主たる学習対象とするため、語彙の意味的類似性や音韻的類似性は干渉要因となります。a,bは**視覚的に異なり、音韻的に独立
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