STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第179問

機能性構音障害第18回
「ゴハン」を「ゴアン」と発音するのと同じ誤り方はどれか。 a.タイツ → タイチュ b.メガネ → メアネ c.ハッパ → アッパ d.パンダ → パンラ e.ミカン → ミタン 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — b,c 「ゴハン」→「ゴアン」は舌が高い位置に上がらず、中舌母音化する誤りです。つまり、**舌の高さが低下し、後舌音が中舌音に変わる現象(後舌化)**です。同じ誤り方は、舌が正常な位置より低く発音される場合を探します。 --- 【各選択肢の解説】 a. タイツ → タイチュ ❌ 誤り。これは「ツ」の「ス」化(音韻的には/ts/→/s/)ですが、舌位置の高さの問題ではなく、**舌の前後位置**の変化(後ろの音が前に移動)です。「ゴハン」→「ゴアン」とは異なるタイプの誤りで、舌高さの低下ではありません。 b. メガネ → メアネ ✅ 正しい。「ガ」/ga/(奥舌・高い位置)が「ア」/a/(中舌・低い位置)に変わります。これは**舌の高さが低下して後舌音が中舌母音化する誤り**で、「ゴハン」→「ゴアン」(「ハ」/ha/が「ア」/a/に変わる)と同じ機序です。 c. ハッパ → アッパ ✅ 正しい。語頭の「ハ」/ha/(奥舌・高い位置)が「ア」/a/(中舌・低い位置)に変わります。これも**舌の高さが低下して後舌音が脱落し中舌母音化する誤り**で、「ゴハン」の誤りと同じです。 d. パンダ → パンラ ❌ 誤り。「ダ」→「ラ」は**舌のタップ化**(閉鎖音が流音に変わる)です。舌の高さの問題ではなく、舌の使い方(閉鎖から接近音)が変わっているため、「ゴハン」→「ゴアン」とは異なるタイプです。 e. ミカン → ミタン ❌ 誤り。「カ」/ka/→「タ」/ta/は**舌の前後位置が変わる**誤りです(軟口蓋音から歯茎音へ移動)。舌の高さは両者とも高いままで、「ゴハン」→「ゴアン」の舌高さ低下とは異なります。 --- 【試験対策ポイント】 構音誤りの分類(機能的構音障害の主な3タイプ) | 誤りのタイプ | 機序 | 例 | |---|---|---| | 舌高さの低下(後舌化) | 奥舌音・高い舌位が脱落→中舌母音化 | ゴハン→ゴアン、メガネ→メアネ | | 舌前後位置の変化 | 軟口蓋音⇔歯茎音の置換 | カ↔タ、ガ↔ダ | | 舌のタップ化 | 閉鎖音→流音へ変化 | ダ→ラ、カ→ラ | 重要:問題で「同じ誤り方」と聞かれたら、舌の**どの運動パラメータ**が失われているかを3軸で比較する(高さ・前後・左右)。
関連

▶ 第18回 全問一覧

▶ 機能性構音障害 の過去問一覧