第18回 言語聴覚士国家試験 第180問
器質性構音障害第18回
誤っている組合せはどれか。
a.粘膜下口蓋裂 ― 開鼻声
b.咽頭扁桃肥大 ― 気息性嗄声
c.高口蓋 ― 母音の歪み
d.舌小帯短縮症 ― 声門破裂音
e.ダウン症 ― 母音の歪み
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — b,c,d
器質性構音障害では、各疾患・形態異常と生じやすい音声言語障害を正確に対応させることが重要です。誤った組み合わせを特定するには、各疾患の病態と音響的特性を理解する必要があります。
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【各選択肢の解説】
a. 粘膜下口蓋裂 ― 開鼻声
✅ 正しい。粘膜下口蓋裂は筋層の断裂があり、軟口蓋の機能不全により鼻腔と口腔が十分に遮断されないため、開鼻声が生じます。完全口蓋裂よりも症状が軽い場合がありますが、開鼻声は典型的な音声障害です。
b. 咽頭扁桃肥大 ― 気息性嗄声
❌ 誤り。咽頭扁桃肥大の典型的な音声障害は「閉鼻声」(hyponasal voice)です。鼻咽腔の通路が扁桃肥大で物理的に遮断されるため、/n/や/m/などの鼻音が口音化します。気息性嗄声は声帯の不完全閉鎖に基づくものであり、扁桃肥大とは直接の関連がありません。
c. 高口蓋 ― 母音の歪み
❌ 誤り。高口蓋は調音位置の変化をもたらしますが、結果として生じやすいのは「子音の歪み」です。特に口蓋に接近する音(/t/, /s/, /∫/など)の歪みが見られます。母音の歪みは高口蓋の直接的な結果ではなく、むしろ音響空間の変化に基づく二次的現象です。
d. 舌小帯短縮症 ― 声門破裂音
❌ 誤り。舌小帯短縮症では舌の運動範囲が制限されるため、舌先音(/t/, /d/, /l/, /r/など)の代償音が生じます。声門破裂音は声帯レベルの障害であり、舌小帯の短縮とは無関係です。舌小帯短縮症は調音器官の機械的制限に基づく障害であって、声門機能に影響しません。
e. ダウン症 ― 母音の歪み
✅ 正しい。ダウン症では巨舌、低口蓋、開咬などの口腔形態異常があり、これらが共鳴特性を変化させるため母音の歪みが生じます。また、筋緊張低下も音声に影響します。
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【試験対策ポイント】
器質性構音障害と音声障害の対応関係
| 疾患・異常 | 生じやすい障害 | 理由 |
|---|---|---|
| 粘膜下口蓋裂 | 開鼻声 | 軟口蓋筋層断裂→鼻咽腔機能不全 |
| 咽頭扁桃肥大 | 閉鼻声 | 鼻咽腔通路遮断→鼻音の口音化 |
| 高口蓋 | 子音歪み(特に口蓋接近音) | 調音位置変化 |
| 舌小帯短縮症 | 舌先音の代償音 | 舌運動制限→調音器官の機械的障害 |
| ダウン症 | 母音歪み・構音障害 | 巨舌、低口蓋、筋緊張低下 |
重要な否定知識
- 閉鼻声と開鼻声の区別:開鼻声は鼻咽腔開放(口蓋機能不全)、閉鼻声は鼻咽腔閉鎖(鼻呼吸障害)
- 声門破