STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第184問

嚥下障害第18回
嚥下内視鏡検査による評価が困難なのはどれか。
  1. 1.鼻咽腔の閉鎖
  2. 2.喉頭の感覚機能
  3. 3.嚥下反射の惹起性
  4. 4.下咽頭の器質的病変
  5. 5.胸部食道の器質的病変 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 胸部食道の器質的病変 嚥下内視鏡検査(VE)は咽頭・喉頭領域の評価に特化しており、食道は視野の対象外です。特に胸部食道は喉頭からの距離が遠く、内視鏡の到達範囲を超えるため、器質的病変の評価は困難です。食道の病変評価にはバリウム嚥下造影検査やバリウム食道造影検査が適切です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 鼻咽腔の閉鎖 ✅ 正しい。VEで直視可能な領域です。軟口蓋の挙上・咽頭壁の接触により鼻咽腔閉鎖の状態を観察できます。 2. 喉頭の感覚機能 ✅ 正しい。VEで喉頭蓋触診時の咳反応の有無や感覚レベルを評価できます。VE中に内視鏡先端で咽頭後壁を刺激し、咳嗽反応の程度を判定します。 3. 嚥下反射の惹起性 ✅ 正しい。VEで嚥下の実行過程(開口・舌運動・咽頭収縮)を観察でき、反射の惹起性の判定は可能です。ただし嚥下反射発生時のホワイトアウト(嚥下時の視野遮蔽)により、その瞬間の詳細観察は困難とされていますが、「惹起性の評価」は可能です。 4. 下咽頭の器質的病変 ✅ 正しい。VEで下咽頭梨状窩や輪状咽頭部の病変(腫瘍・憩室など)は直視観察が可能です。 5. 胸部食道の器質的病変 ❌ 誤り。VEの視野は口腔から咽頭・喉頭に限定され、食道に到達しません。胸部食道は内視鏡の視野から外れるため評価困難です。 --- 【試験対策ポイント】 VEとVFの検査範囲の区別: | 検査方法 | 評価可能部位 | 評価困難な部位 | |---|---|---| | VE(内視鏡) | 鼻咽腔・咽頭・喉頭 | 食道(口腔食道~胸部食道) | | VF(造影検査) | 全食道・咽頭 | 嚥下反射の瞬間 | 重要:VEの大きな制限 - 嚥下反射時:ホワイトアウト発生→詳細観察不可 - 食道到達不可能→器質的病変(ポリープ・狭窄・腫瘍)の評価は造影検査が必須 頻出の誤解 - 「VEで食道を観察できる」という選択肢は誤り - 「VFでのみ全嚥下過程を動的に観察できる」が正確
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