STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第191問

小児聴覚障害第18回
難聴の進行がみられないのはどれか。
  1. 1.先天性耳小骨奇形 ✓
  2. 2.遅発性内リンパ水腫
  3. 3.前庭水管拡大症
  4. 4.ミトコンドリアDNA 1555点変異
  5. 5.先天性サイトメガロウイルス感染症

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 先天性耳小骨奇形 先天性耳小骨奇形は、出生時に耳小骨の形態異常(形成不全・融合・欠損など)が存在する静的な構造的異常であり、進行性を示しません。一方、他の4つは全て難聴が時間経過とともに進行する進行性難聴です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 先天性耳小骨奇形 ✅ 正しい(正答理由)。耳小骨の形態異常は先天的に固定された状態であり、加齢とともに悪化することはありません。難聴は存在しますが進行性ではなく、安定した伝音難聴です。 2. 遅発性内リンパ水腫 ❌ 誤り。ミニエール病の一形態で、通常は進行性感音難聴を示します。反復する眩暈発作に伴い、低音域から中音域の聴力が段階的に低下することが特徴です。 3. 前庭水管拡大症(LVAS) ❌ 誤り。NHS(新生児聴覚スクリーニング)通過後の進行性感音難聴の最頻原因です。幼児期から学童期にかけて、および成人期でも難聴が進行することが多く、頭部外傷により急性悪化することもあります。 4. ミトコンドリアDNA 1555点変異 ❌ 誤り。進行性感音難聴の代表的な遺伝的原因です。アミノグリコシド系抗生物質による難聴増悪のリスクが高く、加齢とともに聴力が低下します。母系遺伝を示します。 5. 先天性サイトメガロウイルス感染症 ❌ 誤り。先天性難聴の最頻原因の1つで、進行性感音難聴を呈することが知られています。出生後数ヶ月から数年の経過で聴力が悪化することがあり、両側性が多いです。 --- 【試験対策ポイント】 進行性難聴vs非進行性難聴の分類 | 進行性難聴 | 非進行性難聴 | |---|---| | 遅発性内リンパ水腫(眩暈伴う) | 先天性耳小骨奇形(静的構造異常) | | 前庭水管拡大症(NHS後進行の最頻原因) | 先天性風疹症候群(安定) | | ミトコンドリアDNA変異(母系遺伝、AG系注意) | 先天性骨形成不全症(安定) | | 先天性CMV感染症(出生後数ヶ月〜数年で悪化) | 先天性水頭症(原因に依存) | 重要ポイント - 先天性耳小骨奇形:「先天性」=構造異常は固定。進行しない唯一の選択肢 - NHS通過後進行の難聴:前庭水管拡大症が代表例(要暗記) - ミトコンドリアDNA 1555:アミノグリコシド系避ける(遺伝カウンセリング対象) - 先天性CMV:進行性のため乳幼児期の反復聴力検査が必須 - 遅発性内リンパ水腫:眩暈・耳鳴を伴う進行性感音難聴
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