第18回 言語聴覚士国家試験 第195問
聴力検査第18回
自記オージオメトリについて正しいのはどれか。
- 1.JergerI型は正常聴力を意味する。
- 2.JergerII型は持続音より断続音の振幅が小さくなる。
- 3.JergerIII型は持続音の閾値だけが徐々に低下する。
- 4.JergerIV型は低音と高音とで同じ傾向が見られる。 ✓
- 5.検査結果は被検査者の操作なしに自動的に記録される。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — JergerIV型は低音と高音とで同じ傾向が見られる。
自記オージオメトリ(Békésy audiometry)のJerger分類は、聴覚系の障害部位を推定するための重要な分類法です。JergerIV型は「low frequency」と「high frequency」の曲線が並行して低下する特徴があり、感音難聴の中でも中枢性難聴を示唆します。この「同じ傾向」という表現がJergerIV型の本質的な特徴を正確に述べています。
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【各選択肢の解説】
1. JergerI型は正常聴力を意味する。
❌ 誤り。Jerger I型は、持続音と断続音の閾値がほぼ一致して下降する型で、これは「正常聴力」ではなく「伝音難聴」を示唆します。正常聴力ではオージオメータの増減に聴覚が追従し、通常は曲線が安定します。
2. JergerII型は持続音より断続音の振幅が小さくなる。
❌ 誤り。Jerger II型の特徴は逆です。持続音の閾値が低下(聴覚が改善する方向)し、断続音はそれに追従しない、あるいは持続音より高い閾値にとどまります。これは「感音難聴」を示唆する典型的なパターンです。
3. JergerIII型は持続音の閾値だけが徐々に低下する。
❌ 誤り。Jerger III型は、断続音の閾値が段階的に低下し、その後復帰する「八の字型」の特徴的なパターンを示します。これは内耳障害(特に急性感音難聴やメニエール病など)を示唆する所見で、持続音だけの低下ではありません。
4. JergerIV型は低音と高音とで同じ傾向が見られる。
✅ 正しい。Jerger IV型は、低周波数と高周波数の曲線が「平行」に、同じような傾向(両方とも低下、両方とも上昇など)を示します。これは中枢性障害(脳幹や大脳聴覚経路)を示唆する典型的なパターンです。
5. 検査結果は被検査者の操作なしに自動的に記録される。
❌ 誤り。自記オージオメトリは被検査者が「聞こえる」「聞こえない」を自分で判断し、ボタンを押して反応する検査です。自動記録装置が曲線を描きますが、その前提には被検査者の主観的判断(操作)が必須です。完全に自動的・客観的ではありません。
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【試験対策ポイント】
Jerger分類の5つの型
| 型 | 特徴 | 意味する障害 |
|---|---|---|
| I型 | 持続・断続が一致して低下 | 伝音難聴 |
| II型 | 持続が低下、断続が追従しない | 感音難聴(典型) |
| III型 | 断続が八の字型(低下→復帰) | 内耳障害(変動型) |
| IV型 | 低音・高音が同じ傾向(平行) | 中枢性難聴 |
| V型 | 持続が低下しない(逆転) | 稀な変則パターン |
頻出混同ポイント:
- JergerI型=「正常」ではなく「伝音難聴」
- JergerII型とIII型の区別:「段階的な八の字」=III型
- 「同じ傾向」「平行」=JergerIV型=中枢性の鍵ワード
- 自記オージオメトリは「被検者依存的検査」(純音聴力検査と同じく主観的)