STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第198問

補聴器・人工内耳第18回
語音明瞭度曲線の測定結果で正しいのはどれが。 (▲:補聴器装用時,△:補聴器非装用時) 【図を挿入】
  1. 1.非装用時で声が大きめの日常会話はほぼ理解できる。 ✓
  2. 2.装用時において日常会話音で語音明瞭度が10%改善している。
  3. 3.補聴器の利得は約30dBである。
  4. 4.補聴器装用時の語音了解度閾値は40dB HLである。
  5. 5.装用閾値は50dB HLである。
第18回第198問 図

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 非装用時で声が大きめの日常会話はほぼ理解できる。 語音明瞭度曲線では、横軸に提示音圧レベル、縦軸に語音明瞭度(%)をプロットします。非装用時(△)の曲線を読むと、約65~70dB HLで語音明瞭度が90%以上に達しています。声が大きめの日常会話音は60~65dB程度であり、この音圧レベルで明瞭度が80%以上確保されるため、ほぼ理解可能であることが読み取れます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 非装用時で声が大きめの日常会話はほぼ理解できる。 ✅ 正しい。非装用時曲線(△)で60~65dB HL付近を見ると語音明瞭度が80~90%に達しており、声が大きめの日常会話(およそ60~70dB)は十分理解可能です。これは患者の聴力レベルが軽・中等度であることを示しています。 2. 装用時において日常会話音で語音明瞭度が10%改善している。 ❌ 誤り。図から読み取ると、65dB HL(声が大きめの日常会話音)の時点で、非装用時は約90%、装用時も約95%程度であり、改善幅は5%程度です。「10%改善」は過大評価です。 3. 補聴器の利得は約30dBである。 ❌ 誤り。補聴器の利得は、同じ語音明瞭度(例えば50%)を達成するのに必要な音圧の差で判定します。図から読むと、50%明瞭度時に非装用時は約45dB HL、装用時は約25dB HL必要であり、利得は約20dB程度です。 4. 補聴器装用時の語音了解度閾値は40dB HLである。 ❌ 誤り。図から装用時曲線(▲)を読むと、語音明瞭度が初めて上昇し始める地点(閾値)は約20~25dB HL程度です。40dB HLではすでに語音明瞭度が上昇しており、閾値ではありません。 5. 装用閾値は50dB HLである。 ❌ 誤り。装用閾値(補聴器装用時の語音了解度閾値)は約20~25dB HLです。選択肢の50dB HLは、非装用時の語音了解度閾値に相当しており、誤りです。 --- 【試験対策ポイント】 語音明瞭度曲線の読み方 | 項目 | 定義 | 図での読取方法 | |---|---|---| | 語音了解度閾値 | 語音明瞭度が初めて上昇し始める音圧 | 曲線が0%から上昇を始める点 | | 補聴器の利得 | 同じ明瞭度を得るのに必要な音圧差 | 非装用と装用で50%の高さの横軸差 | | 日常会話音 | 通常60~65dB HL、大声で70dB HL程度 | 該当範囲での両曲線の垂直距離 | | 最大語音明瞭度 | 曲線がプラトーに達した値 | 曲線の頭打ち部分 | 重要な否定知識 - 「補聴器の利得が大きい」≠「日常会話での改善率が大きい」(すでに高い明瞭度の領域では改善幅が小さい) - 語音了解度閾値と日常会話での改善を混同しない - 図の読み間違え:「横軸の値が大きい選択肢」が必ずしも正答ではない 頻出の誤答パターン - 利得を30dB以上と過大評
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