STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第21問

聴覚系第18回
正しいのはどれか。
  1. 1.内耳と中耳は鼓膜によって境されている。
  2. 2.鼓膜張筋はアブミ骨に付着する。
  3. 3.アブミ骨底は蝸牛の鼓室階と接している。
  4. 4.耳管は中耳腔の圧と外気圧とを均衡させる。 ✓
  5. 5.ヒトの蝸牛は3回転半のラセン構造である。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — 耳管は中耳腔の圧と外気圧とを均衡させる。 耳管(ユーステーキオス管)は、中耳腔を外気圧と均等に保つことで、鼓膜の最適な振動条件を維持する重要な構造です。耳管が機能しないと中耳腔内の圧が低下し、滲出性中耳炎などの原因となります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 内耳と中耳は鼓膜によって境されている。 ❌ 誤り。内耳と中耳は卵円窓および円窓によって境されています。鼓膜は「外耳と中耳」の境界です。 2. 鼓膜張筋はアブミ骨に付着する。 ❌ 誤り。鼓膜張筋はツチ骨の柄に付着しています。アブミ骨に付着する筋肉はアブミ骨筋です。 3. アブミ骨底は蝸牛の鼓室階と接している。 ❌ 誤り。アブミ骨底は「前庭階」に接しており、卵円窓から蝸牛の前庭階へ音振動を伝えます。鼓室階ではなく前庭階です。 4. 耳管は中耳腔の圧と外気圧とを均衡させる。 ✅ 正しい。耳管の開放により中耳腔内の圧を大気圧と等しく保ち、鼓膜の両面の圧力差をなくすことで正常な聴覚機能を維持します。 5. ヒトの蝸牛は3回転半のラセン構造である。 ❌ 誤り。ヒトの蝸牛は2回転半(2.5回転)のラセン構造です。3回転半ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 中耳・内耳の解剖:押さえるべき境界と構造 | 項目 | 正確な情報 | |---|---| | 外耳と中耳の境 | 鼓膜 | | 中耳と内耳の境 | 卵円窓・円窓 | | 鼓膜張筋の付着 | ツチ骨の柄 | | アブミ骨筋の支配神経 | 顔面神経(VII) | | アブミ骨底が接する部位 | 蝸牛の前庭階(内リンパ液のある部位ではなく外リンパ液の前庭階) | | ヒト蝸牛の回転数 | 2回転半 | | 耳管の主機能 | 圧平衡・分泌物排出 | 紛らわしやすい点 - 「鼓膜張筋とアブミ骨筋」:どちらも中耳の筋肉だが付着部位が全く異なる - 「アブミ骨底が接する部位」:蝸牛内にある前庭階(鼓室階ではない)を区別する - 「耳管の役割」:単なる「開く・閉じる」の機械的作用ではなく、常に圧平衡を担っていることが重要
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