STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第24問

神経系第18回
皮質脊髄路が障害されたときに生じるのはどれか。
  1. 1.顔面麻痺
  2. 2.上肢麻痺 ✓
  3. 3.半身痛覚低下
  4. 4.パーキンソン症状
  5. 5.下肢筋萎縮

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 上肢麻痺 皮質脊髄路は大脳皮質の運動野から脊髄へ向かう「錐体路」であり、随意運動を支配する最も重要な神経路です。この経路が障害されると、該当する脊髄支配領域の随意運動が麻痺します。上肢は頸髄支配であり、皮質脊髄路が頸髄レベルで障害されれば上肢麻痺が生じます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 顔面麻痺 ❌ 誤り。顔面麻痺(顔面神経障害)は脳神経Ⅶ番の障害による症状であり、皮質脊髄路とは無関係です。顔面筋の支配は脳神経で行われるため、脊髄の皮質脊髄路障害では生じません。 2. 上肢麻痺 ✅ 正しい。皮質脊髄路が頸髄で障害されると、上肢支配ニューロンの信号伝達が途絶え、上肢麻痺(通常は対側)が生じます。これは脳梗塞や脊髄損傷での典型的な症状です。 3. 半身痛覚低下 ❌ 誤り。痛覚・温度覚は「脊髄視床路(脊髄視床外側路)」で伝導されます。皮質脊髄路は運動路であり、感覚伝導路ではないため、痛覚低下は生じません。 4. パーキンソン症状 ❌ 誤り。パーキンソン症状(振戦・筋強剛・動作緩慢)は黒質線条体系(ドーパミン神経系)の障害で生じます。皮質脊髄路障害では生じません。 5. 下肢筋萎縮 ❌ 誤り。皮質脊髄路障害による麻痺は「中枢性麻痺」で、神経萎縮(脱神経)ではなく「廃用性萎縮」です。著しい筋萎縮は末梢神経や脊髄前角細胞(下位運動ニューロン)障害の特徴であり、皮質脊髄路障害では顕著ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 運動神経路と障害部位による症状の区別 | 障害部位 | 神経路 | 主な症状 | 特徴 | |---|---|---|---| | 皮質脊髄路(中枢性) | 脳→脊髄 | 随意運動麻痺・痙性麻痺・反射亢進 | 筋萎縮は軽微 | | 脳神経(末梢性) | 脳→末梢 | 特定領域の麻痺(顔面など) | 脊髄経由しない | | 脊髄前角細胞(下位運動ニューロン) | 脊髄→筋 | 筋萎縮・筋力低下・反射消失 | 著しい筋萎縮 | | 脊髄視床路 | 脊髄→脳 | 痛覚・温度覚低下 | 感覚障害 | | 黒質線条体系 | 中脳 | パーキンソン症状 | 運動障害だが皮質脊髄路とは独立 | キーワード:皮質脊髄路=「運動(随意運動)」「中枢性麻痺」「脊髄支配領域」
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