第18回 言語聴覚士国家試験 第31問
臨床心理学第18回
誤っているのはどれか。
- 1.ウェクスラー式知能検査では偏差知能指数を求める。
- 2.ビネー式知能検査では年齢尺度を用いている。
- 3.ピネー式知能検査は成人には使用できない。 ✓
- 4.ウェクスラー式成人知能検査(WAIS)では、全IQ、動作性IQ、言語性IQを算出する。
- 5.幼児を対象としたウェクスラー式知能検査がある。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — ピネー式知能検査は成人には使用できない。
ピネー式知能検査は、成人用の改訂版(Stanford-Binet第5版など)が存在するため、成人でも使用可能です。元々ビネー式は子どもの知能測定を目的に開発されましたが、後の改訂版では成人の測定にも対応しています。これが唯一の誤った記述です。
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【各選択肢の解説】
1. ウェクスラー式知能検査では偏差知能指数を求める。
✅ 正しい。ウェクスラー式知能検査(WAIS、WISC等)は、被検者の得点を同年代集団の平均と標準偏差から算出する「偏差知能指数」(M=100、SD=15)を使用します。
2. ビネー式知能検査では年齢尺度を用いている。
✅ 正しい。ビネー式知能検査は、回答内容から導き出される「精神年齢」を算出し、暦年齢で除した「知能指数(IQ)」を用いる「年齢尺度法」が特徴です。
3. ピネー式知能検査は成人には使用できない。
❌ 誤り。ビネー式(※問題文の「ピネー式」はビネー式の誤記と解釈)は改訂版で成人にも対応しています。Stanford-Binet第5版は2〜85歳まで使用可能です。
4. ウェクスラー式成人知能検査(WAIS)では、全IQ、動作性IQ、言語性IQを算出する。
✅ 正しい。WAIS(およびWAIS-III、WAIS-IV)は、言語性検査と動作性検査から「言語性IQ」「動作性IQ」を算出し、両者を統合して「全IQ」を求めます。
5. 幼児を対象としたウェクスラー式知能検査がある。
✅ 正しい。「幼児用ウェクスラー式知能検査(WPPSI)」が存在し、2歳6ヶ月〜7歳3ヶ月の幼児を対象とします。
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【試験対策ポイント】
主要な知能検査の対象年齢と特徴
| 検査名 | 対象年齢 | 算出指標 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ビネー式 | 2歳〜成人 | 精神年齢→IQ | 年齢尺度法(段階的難度) |
| WPPSI | 2歳6ヶ月〜7歳3ヶ月 | 言語IQ・動作IQ・全IQ | ウェクスラー式幼児版 |
| WISC | 5歳〜16歳 | 言語IQ・動作IQ・全IQ | ウェクスラー式児童版 |
| WAIS | 16歳以上成人 | 言語IQ・動作IQ・全IQ | ウェクスラー式成人版 |
重要な知識の区別
- 「年齢尺度法」=ビネー式の特徴(精神年齢/暦年齢×100)
- 「偏差知能指数」=ウェクスラー式の特徴(平均100、標準偏差15)
- ウェクスラー式はすべてのバージョン(幼児用・児童用・成人用)で「言語性IQ」「動作性IQ」「全IQ」の3つの指標を算出
覚えやすい整理
ビネー式→「段階的」「精神年齢」、ウェクスラー式→「偏差IQ」「複数の下位検査に分かれた構成」と区別すること。