STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第4問

生理学第18回
尿細管で再吸取されないのはどれか。
  1. 1.
  2. 2.ナトリウムイオン
  3. 3.ブドウ糖
  4. 4.クレアチニン ✓
  5. 5.重炭酸イオン

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — クレアチニン クレアチニンは筋肉の代謝産物で、糸球体濾過膜を通して原尿に濾過されますが、尿細管での再吸収機構がないため、ほぼ全量が尿中に排泄されます。この特性により、クレアチニンはGFR(糸球体濾過量)の推定指標として臨床的に重要です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 水 ✅ 正しい。集合管でADH(抗利尿ホルモン)の作用により、水チャネル(アクアポリン2)を介して再吸収されます。血清浸透圧が高いとADHが分泌され、水の再吸収が増加します。 2. ナトリウムイオン ✅ 正しい。近位尿細管・ヘンレループ・遠位尿細管・集合管のいずれかで能動輸送により再吸収されます。特に近位尿細管で約60~70%が再吸収される最も重要な電解質です。 3. ブドウ糖 ✅ 正しい。通常、血中濃度が正常範囲であれば、近位尿細管で能動輸送により完全に再吸収されます。血糖値が高い糖尿病では、尿細管の再吸収能力の上限を超えるため、ブドウ糖尿が生じます。 4. クレアチニン ❌ 誤り(正答)。クレアチニンは筋肉でクレアチンから生じた代謝産物で、糸球体で濾過されますが、尿細管での再吸収機構がありません。したがってほぼ全量が尿中に排泄され、血中濃度は腎機能の評価に用いられます。 5. 重炭酸イオン ✅ 正しい。近位尿細管でH+と結合して炭酸H2となり、さらに水とCO2に分解されます。これらは尿細管細胞に吸収され、最終的に重炭酸イオンとして血液に戻ります(酸塩基平衡の維持)。 --- 【試験対策ポイント】 **尿細管での再吸収パターン** | 物質 | 再吸収部位 | 機序 | 特徴 | |---|---|---|---| | 水 | 集合管 | 浸透圧勾配(ADH依存) | 濃度に応じて可変 | | Na+ | 全域 | 能動輸送 | 約99%再吸収 | | ブドウ糖 | 近位尿細管 | 能動輸送 | 閾値を超えると尿糖 | | 重炭酸イオン | 近位尿細管 | H+と結合後、CO2に変換 | 酸塩基平衡に重要 | | クレアチニン | **再吸収されない** | — | **GFR指標として使用** | **クレアチニンの臨床的位置付け** - 糸球体濾過のみで排泄:再吸収・分泌されない - 腎機能低下時に血液中に蓄積:血清クレアチニン値でGFR推定 - 筋肉量に依存するため、高齢者や女性では留意が必要 **混同しやすいポイント** - ウレアと異なり、クレアチニンは尿細管で再吸収されない - 一部の医薬品(例:シメチジン)はクレアチニン分泌を阻害し、血清値を上昇させることあり
関連

▶ 第18回 全問一覧

▶ 生理学 の過去問一覧