第18回 言語聴覚士国家試験 第5問
神経系第18回
神経について誤っているのはどれか。
- 1.運動神経終末からアセチルコリンが放出される
- 2.有髄線維は無髄線維より神経伝導速度が遅い。 ✓
- 3.脊髄感覚神経は後根を通る。
- 4.閾値を超えると脱分極が生じる。
- 5.静止膜電位はマイナスである。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 有髄線維は無髄線維より神経伝導速度が遅い。
有髄線維は厚いミエリン鞘に覆われており、不連続な部位(ランビエ結節)で跳躍的に活動電位が伝播する「跳躍伝導」が起こります。そのため、有髄線維の神経伝導速度は無髄線維よりも大幅に速く、選択肢の記述は誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. 運動神経終末からアセチルコリンが放出される
✅ 正しい。神経筋接合部で、運動神経の終末からシナプス小胞内のアセチルコリンが放出され、骨格筋の受容体に結合して脱分極を引き起こします。
2. 有髄線維は無髄線維より神経伝導速度が遅い。
❌ 誤り。有髄線維は跳躍伝導により高速で伝導します(50〜120m/秒)。無髄線維の伝導速度は1m/秒程度と極めて遅く、有髄線維がはるかに速いです。
3. 脊髄感覚神経は後根を通る。
✅ 正しい。脊髄神経根は、感覚神経は後根、運動神経は前根を通ります。これは脊髄の基本的な解剖学的特徴です。
4. 閾値を超えると脱分極が生じる。
✅ 正しい。膜電位が静止膜電位(約−70mV)から閾値(約−55mV)まで脱分極したとき、電位依存的ナトリウムチャネルが開き、活動電位が発生します。
5. 静止膜電位はマイナスである。
✅ 正しい。静止膜電位はおよそ−70mVで、細胞外がプラス、細胞内がマイナスです。Na・K-ATPaseの作用により維持されます。
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【試験対策ポイント】
有髄線維 vs 無髄線維の神経伝導速度
| 項目 | 有髄線維 | 無髄線維 |
|---|---|---|
| 神経伝導速度 | 50〜120m/秒(高速) | 1m/秒程度(低速) |
| 伝導メカニズム | 跳躍伝導(ランビエ結節で) | 連続伝導 |
| ミエリン鞘 | あり | なし |
| 神経線維直径 | 太い | 細い |
キーワード:
- 静止膜電位:−70mV(Na・K-ATPaseで維持)
- 閾値:約−55mV
- 脱分極:膜電位が−70mVから−55mVへ(より正になる方向)
- 後根=感覚神経、前根=運動神経