第18回 言語聴覚士国家試験 第53問
言語聴覚障害総論第18回
エコラリアが出現するのはどれか。
a.特異的言語発達障害
b.自閉症スペクトラム障害
c.混合型超皮質性失語
d.失調性構音障害
e.発達性吃音
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b,c
エコラリアは他者の発話を意味を理解せず機械的に繰り返す症状です。自閉症スペクトラム障害では言語理解の遅滞と反復行動傾向から、混合型超皮質性失語では前頭葉病変による自動的言語運動制御の障害からそれぞれ出現します。
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【各選択肢の解説】
a. 特異的言語発達障害
❌ 誤り。特異的言語発達障害は理由不明の言語発達遅滞ですが、エコラリアは典型的な症状ではありません。理解に大きな困難はなく、発話の質的な異常(反復性)も主症状ではないため選べません。
b. 自閉症スペクトラム障害
✅ 正しい。言語理解の障害と反復行動傾向が特徴であり、他者の発話を処理して理解する過程を経ずに機械的に繰り返すエコラリアが出現します。発達初期から見られることが多く、自閉症の典型的な言語症状です。
c. 混合型超皮質性失語
✅ 正しい。前頭葉と側頭葉の両領域に広範な病変を受け、自動的言語機能(反射的な反応や繰り返し)は相対的に保持される一方、意図的な言語産生が障害されます。その結果、相手の発話を意味を理解せずに繰り返すエコラリアが出現します。
d. 失調性構音障害
❌ 誤り。失調性構音障害は小脳病変による構音の問題(断綴性発話・スキャニング音)が主体です。言語理解や繰り返し行動の異常ではなく、エコラリアは出現しません。
e. 発達性吃音
❌ 誤り。吃音は流暢性の障害(ことばの反復・延長)であり、エコラリア(他者の発話の無意味な繰り返し)ではありません。両者は質的に全く異なる言語症状です。
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【試験対策ポイント】
エコラリアの定義と出現場面
| 用語 | 特徴 | 出現障害 |
|---|---|---|
| エコラリア | 他者発話を「意味理解せず」機械的に繰り返す | ASD、超皮質性失語 |
| 吃音 | 音の反復・延長・ブロック | 発達性吃音 |
| 自動言語 | 条件反射的な発話(挨拶・数唱など) | 失語症全般 |
超皮質性失語の3型と言語特性
| タイプ | 流暢性 | 理解 | 復唱 | 自動言語 | エコラリア |
|---|---|---|---|---|---|
| 運動型 | 非流暢 | 良好 | 良好 | 保持 | なし |
| 感覚型 | 流暢 | 不良 | 良好 | 保持 | あり |
| **混合型** | **非流暢** | **不良** | **良好** | **保持** | **あり** |
混合型超皮質性失語がエコラリアを示す理由:前・側頭葉の両領域障害→言語理解の障害(意味処理不可)×自動言語回路は相対保持(反射的繰り返し可能)
ASDの言語症状の特徴的パターン
- エコラリア:多くのケースで見られる(遅延エコラリアを含む)
- 代名詞の反転:「あなた」と呼ばれたら「私」と返すべきところを「あなた」と返す
- 限定的興味による常同的発話
- 文字や数字への特異的興味
出現「しない」障害の整理
- 特異的言語発達障害:理