第18回 言語聴覚士国家試験 第58問
失語症第18回
失語症の読み書きについて誤っているのはどれか。
- 1.ブローカ失語では漢字の音読よりも読解か保たれる。
- 2.語義失語では類音的錯読がみられる。
- 3.伝導失語では漢字の音読で音韻性の誤りがみられる。
- 4.ウェルニッケ失語の読解では漢字よりも仮名が保たれる。 ✓
- 5.超皮質性感覚失語では仮名単語の理解が低下する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — ウェルニッケ失語の読解では漢字よりも仮名が保たれる。
ウェルニッケ失語では理解障害が著しいため、漢字も仮名も読解が低下します。むしろ意味理解を要しない音読は相対的に保たれることもありますが、「読解」という理解を伴う課題では、漢字・仮名の優劣はつきません。この選択肢は根拠のない比較を述べているため誤りです。
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【各選択肢の解説】
1. ブローカ失語では漢字の音読よりも読解が保たれる。
✅ 正しい。ブローカ失語は音韻処理・産出の障害が主体であり、意味理解は良好です。したがって漢字の「音読」(音韻産出)は困難でも、「読解」(視覚的意味認識)は保たれます。音読経路よりも意味経路が温存されているということです。
2. 語義失語では類音的錯読がみられる。
✅ 正しい。語義失語は音韻体系が損傷した失語で、音韻的に似た文字を誤読する傾向があります(例:「杉」を「松」と読むなど、類似音の字を置き換える)。この音韻処理障害の特徴が類音的錯読に表れます。
3. 伝導失語では漢字の音読で音韻性の誤りがみられる。
✅ 正しい。伝導失語は音韻処理・復唱の著しい障害が特徴です。漢字の音読時に、正確な音韻を産出できず、類似音や音韻性の誤りが生じます(例:「薬」を「くすり」の「す」が「つ」になるなど)。
4. ウェルニッケ失語の読解では漢字よりも仮名が保たれる。
❌ 誤り。ウェルニッケ失語は意味理解障害が著しいため、文字形式(漢字・仮名)にかかわらず読解が低下します。「漢字よりも仮名が保たれる」という前提は成り立ちません。むしろ日本語処理では、形態素の分かりやすさから仮名の方が若干有利な場合もありますが、ウェルニッケ失語の根本的な理解障害はその区別を超えています。
5. 超皮質性感覚失語では仮名単語の理解が低下する。
✅ 正しい。超皮質性感覚失語は意味理解が低下する失語です(復唱は良好)。単語理解も含めて意味処理全般が障害されるため、仮名単語の理解も当然低下します。
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【試験対策ポイント】
失語症の読み書き障害は「どの処理段階が障害されているか」で理解します。
| 失語型 | 読解の特徴 | 音読の特徴 |
|---|---|---|
| Broca失語 | 保持される(意味理解良好) | 障害される(音韻産出困難) |
| Wernicke失語 | 障害される(意味理解低下) | 音読は流暢だが内容不適切 |
| 伝導失語 | 保持される(理解良好) | 音韻性誤り(復唱同様の障害) |
| 超皮質性感覚失語 | 意味理解低下(復唱は良好) | 復唱と逆転パターン |
| 語義失語 | 音韻処理障害 | 類音的錯読 |
キーワード:
- ブローカ:音韻産出 > 理解
- ウェルニッケ:理解低下(文字形式は問わない)
- 伝導失語:音韻処理の選択的障害
- 超皮質性感覚:意味 < 復唱
- 本