第18回 言語聴覚士国家試験 第59問
失語症第18回
失語症忠者の知能を評価するのに適する検査はどれか。
- 1.HDS-R
- 2.MMSE
- 3.TMT
- 4.RCPM ✓
- 5.WCST
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — RCPM(Raven's Colored Progressive Matrices)
失語症患者の知能評価には、言語能力に依存しない検査が必須です。RCPMは非言語的な視覚的推理能力を測定する検査で、失語症患者の認知機能を適切に評価できます。言語障害の影響を受けずに、患者の実際の知的能力を把握することができます。
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【各選択肢の解説】
1. HDS-R(改訂長谷川式簡易認知機能評価スケール)
❌ 誤り。言語的指示の理解と言語表出が多く必要とされる検査です。失語症患者では言語機能障害の影響を大きく受けるため、知能評価には不適切です。主に認知症スクリーニングに用いられます。
2. MMSE(ミニメンタルステート検査)
❌ 誤り。言語的な質問が多く含まれており、失語症患者では言語障害の影響を受けやすいです。HDS-R同様、失語症患者の真の知能を評価するのに不適切です。
3. TMT(Trail Making Test)
❌ 誤り。数字や文字を線で結ぶ検査ですが、指示理解や注意機能評価が主目的であり、失語症患者では遂行指示の理解が困難になりやすいです。知能測定というより遂行機能・注意評価です。
4. RCPM(Raven's Colored Progressive Matrices)
✅ 正しい。図形のパターン認識と論理的推理を測定する非言語的検査です。言語能力にほぼ依存しないため、失語症患者でも相対的に言語障害の影響を受けずに視覚的・推理的知能を評価できます。
5. WCST(Wisconsin Card Sorting Test)
❌ 誤り。遂行機能や認知的柔軟性の評価に用いられる検査です。ルール推測に言語指示が含まれ、失語症患者では実施が困難です。知能測定が主目的ではありません。
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【試験対策ポイント】
失語症患者の評価検査の特徴:
| 検査名 | 特徴 | 失語症患者への適用 |
|---|---|---|
| RCPM | 非言語的・視覚推理中心 | ✅ 最適 |
| HDS-R | 言語指示・言語応答が多い | ❌ 不適切 |
| MMSE | 言語的質問が多い | ❌ 不適切 |
| TMT | 注意・遂行機能評価 | ❌ 適さない |
| WCST | 遂行機能・柔軟性 | ❌ 不適切 |
頻出の鑑別ポイント:
- 失語症患者では「言語に依存しない検査」を選択する
- 認知症スクリーニング(HDS-R・MMSE)と知能評価(RCPM)を混同しやすい
- RCPM以外は全て言語処理を大なり小なり要求する