第18回 言語聴覚士国家試験 第61問
失語症第18回
後天性小児失語症について正しいのはどれか。
- 1.発症時年齢と予後とが関係する。 ✓
- 2.統合失調症が原因となる。
- 3.いじめによる心理的抑圧が原因となる。
- 4.成人の失語症に比べて予後不良である。
- 5.原因疾患は脳梗塞が多い。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 発症時年齢と予後とが関係する。
後天性小児失語症は、正常言語発達過程にある小児が脳損傷により失語症を呈する病態です。発症年齢が低いほど脳の可塑性に優れており、言語機能の再編成が容易であるため、予後が良好になる傾向があります。このように発症時年齢は予後を左右する重要な因子です。
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【各選択肢の解説】
1. 発症時年齢と予後とが関係する。
✅ 正しい。発症年齢が低いほど脳の可塑性が高く、言語中枢の再編成が容易であるため予後が良好です。一般的に3~4歳以前の発症では成人失語症より高い回復率を示します。
2. 統合失調症が原因となる。
❌ 誤り。後天性小児失語症の原因は脳器質的損傷です。統合失調症は機能性精神障害であり、器質的脳損傷を伴わないため原因にはなりません。失語症との鑑別が重要です。
3. いじめによる心理的抑圧が原因となる。
❌ 誤り。心理社会的ストレスは失語症の原因ではありません。後天性小児失語症は脳炎、頭部外傷、脳腫瘍、脳卒中など脳実質の器質的障害が原因です。心理的抑圧は機能性音声障害や緘黙との鑑別対象です。
4. 成人の失語症に比べて予後不良である。
❌ 誤り。むしろ逆で、小児は成人より予後が良好です。発症年齢が低いほど脳の可塑性に優れており、言語機能の代償的発達が期待できるため、成人失語症より回復率が高い傾向にあります。
5. 原因疾患は脳梗塞が多い。
❌ 誤り。成人は脳梗塞が失語症の主な原因ですが、小児では脳炎、頭部外傷、脳腫瘍などが相対的に多いです。小児脳卒中自体は比較的稀で、脳梗塞よりも出血性脳卒中や塞栓症の頻度が高い傾向があります。
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【試験対策ポイント】
後天性小児失語症の特徴
| 項目 | 小児失語症 | 成人失語症 |
|---|---|---|
| 脳の可塑性 | 高い | 低い |
| 予後 | 良好(特に低年齢) | 相対的に不良 |
| 回復速度 | 速い傾向 | 緩やかな傾向 |
| 発症年齢と予後 | 年齢が低いほど良好 | — |
原因疾患の比較:
・小児:脳炎>頭部外傷>脳腫瘍>脳卒中
・成人:脳梗塞>脳出血>クモ膜下出血
鑑別すべき病態:
・統合失調症:機能性精神障害(器質的脳損傷なし)
・緘黙:心理社会的要因による選択的沈黙(言語機能は保持)
・機能性音声障害:器質的異常がない音声障害
重要:「予後」「脳の可塑性」「発症年齢の関係」が最頻出テーマ