STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第64問

高次脳機能障害第18回
ゲルストマン症候群をスクリーニングできる検査はどれか。
  1. 1.標準失語症検査
  2. 2.WAB失語症検査 ✓
  3. 3.失語症鑑別診断検査
  4. 4.重度失語症検査
  5. 5.実用コミュニケーション能力検査

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — WAB失語症検査 ゲルストマン症候群は左角回(優位半球頭頂葉)の損傷によって生じる症候群であり、失算・書字障害・失指症・左右識別障害の4症状を特徴とします。WAB失語症検査は失語症全体の言語機能評価に加えて、失算や書字障害などの高次脳機能障害を包括的に評価できるため、ゲルストマン症候群のスクリーニングに適しています。一方、他の検査は失語症の言語機能に特化しており、これらの高次脳機能障害の評価項目を含みません。 --- 【各選択肢の解説】 1. 標準失語症検査 ❌ 誤り。標準失語症検査は失語症の診断・重症度判定に特化した検査であり、失算や失指症などのゲルストマン症候群を構成する非言語的な高次脳機能障害項目を含みません。 2. WAB失語症検査 ✅ 正しい。WAB失語症検査は失語症評価の国際的スタンダードであり、言語機能だけでなく失算・書字・描画などの高次脳機能も評価項目として含みます。そのため、ゲルストマン症候群の4つの症状を総合的にスクリーニング可能です。 3. 失語症鑑別診断検査 ❌ 誤り。失語症の言語機能低下を失語症のタイプ分類に重点を置いた検査であり、失算や失指症といった非言語的高次脳機能の詳細な評価項目を備えていません。 4. 重度失語症検査 ❌ 誤り。重度の失語患者の言語機能評価に特化した検査で、より高度な高次脳機能障害(ゲルストマン症候群)の評価を目的としていません。 5. 実用コミュニケーション能力検査 ❌ 誤り。実用的なコミュニケーション能力の評価に焦点を当てた検査であり、ゲルストマン症候群を構成する失算・失指症などの認知神経心理学的症状の評価項目を含みません。 --- 【試験対策ポイント】 ゲルストマン症候群(左角回症候群) | 症状 | 内容 | |---|---| | 失算 | 計算能力の障害 | | 書字障害 | 書く能力の低下 | | 失指症 | 指を識別・指示できない | | 左右識別障害 | 左右の区別ができない | 各失語症検査の特徴 | 検査名 | 言語機能 | 高次脳機能評価 | ゲルストマン対応 | |---|---|---|---| | 標準失語症検査 | ◎ | △(含まれない) | ✕ | | WAB失語症検査 | ◎ | ◎ | ○ | | 失語症鑑別診断検査 | ◎ | △(含まれない) | ✕ | | 重度失語症検査 | ◎(重度特化) | △(含まれない) | ✕ | | 実用コミュニケーション能力検査 | ◎ | △(含まれない) | ✕ | 重要な否定知識 - ゲルストマン症候群は「失語症」ではなく「高次脳機能障害」→失語症検査で言語機能が正常な場合もある - 標準失語症検査には失算・失指症の詳細評価項目がない - WAB失語症検査のみが高次脳機能障害を含括的に評価可能
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