第18回 言語聴覚士国家試験 第67問
言語発達障害学第18回
注意欠陥/多動性障害を併存することの多い障害(疾患)はどれか。
- 1.ダウン症候群
- 2.レット症候群
- 3.トウレット症候群 ✓
- 4.クルーゾン症候群
- 5.ウィリアムズ症候群
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — トウレット症候群
トウレット症候群は、チック障害の一種であり、ADHD(注意欠陥/多動性障害)との併存率が30~50%と高いことが知られています。両者とも神経発達障害に分類され、前頭葉機能や神経伝達物質(ドーパミン系)の異常が共通の背景にあるため、併存しやすいのです。
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【各選択肢の解説】
1. ダウン症候群
❌ 誤り。ダウン症候群は21番染色体の異常による遺伝性疾患です。知的障害が主要な特徴であり、ADHDとの併存率は特に高くありません。むしろ知的障害の程度に応じた支援が中心となります。
2. レット症候群
❌ 誤り。レット症候群はX連鎖優性遺伝で、MECP2遺伝子異常により生じます。生後6~18ヶ月の発達退行が特徴で、重度の神経発達障害です。ADHDとの併存を問題にすることは臨床的に稀です。
3. トウレット症候群
✅ 正しい。トウレット症候群は、反復的で不随意のチック(音声チック・運動チック)を特徴とする神経発達障害です。ADHD、強迫性障害(OCD)との併存が多く、同じドーパミン系の神経回路異常が関与しています。
4. クルーゾン症候群
❌ 誤り。クルーゾン症候群は頭蓋骨の器質的異常(FGFR2遺伝子異常)に基づく奇形症候群です。ADHDとの特別な関連性はありません。
5. ウィリアムズ症候群
❌ 誤り。ウィリアムズ症候群は7番染色体の微小欠失による遺伝性疾患で、独特の顔貌(妖精様)と社交性が特徴です。ADHDとの併存率は一般的ではありません。
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【試験対策ポイント】
神経発達障害の併存パターン(重要)
| 障害 | 主要な特徴 | ADHD併存 | 理由 |
|---|---|---|---|
| トウレット症候群 | 運動・音声チック | 高い(30~50%) | ドーパミン系異常の共通性 |
| 自閉スペクトラム症 | 社会的相互作用の困難 | 約50% | 神経発達系統の重複 |
| 限局性学習障害 | 特定の学習領域の困難 | 中程度 | 実行機能の共通障害 |
| ダウン症候群 | 知的障害+心疾患 | 低い | 遺伝性疾患との別系統 |
| レット症候群 | 発達退行 | 低い | 遺伝性疾患との別系統 |
「神経発達障害」か「遺伝性疾患」かの区別
- 神経発達障害(神経回路の機能異常)→ADHDとの併存が比較的多い
例:トウレット症候群、自閉症、LD
- 遺伝性疾患・奇形症候群(器質的異常)→ADHDとの特別な関連性は低い
例:ダウン症候群、クルーゾン症候群、ウィリアムズ症候群
トウレット症候群のポイント
- チック:不随意・反復的・唐突
- 音声チック(咳払い・鼻をならす・言葉の繰り返し)と運動チック(まばたき・肩竦める)
- 強迫性障害(OCD)も30~50%で併存
- ストレスで悪化、睡眠中は消失