第18回 言語聴覚士国家試験 第70問
言語発達障害学第18回
6歳の特異的言語発達障害児の診断に必要な検査はどれか。
a.WISC-IV
b.フロスティッグ視知覚発達検査
c.Reyの複雑図形テスト
d.PVT-R
e.<s-s法>
1. a,b,c 2. a,b,e 3. a,d,e 4. b,c,d 5. c,d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — a,d,e
特異的言語発達障害(SLI)の診断には、言語能力の低下が認知能力全般の低下(知的障害)ではなく、言語領域に限局していることを確認する必要があります。そのため認知検査(WISC-IV)と言語検査(PVT-R、s-s法)の組み合わせが診断に必須です。視知覚検査や視覚的構成能力検査は言語障害の診断に直接的な寄与がないため不要です。
---
【各選択肢の解説】
a. WISC-IV
✅ 正しい。認知能力(IQ)を測定する標準的な検査です。SLIの診断では、認知能力は平均以上にもかかわらず言語能力が有意に低下している(言語能力とIQの乖離)ことを確認するために必須です。
b. フロスティッグ視知覚発達検査
❌ 誤り。視知覚発達を評価する検査ですが、言語障害の診断に直接的な情報をもたらしません。SLIは言語領域の特異的な障害であり、視知覚発達の評価は診断の中核にはなりません。
c. Reyの複雑図形テスト
❌ 誤り。視覚的構成能力と視覚記憶を評価する検査ですが、言語能力評価には直接関連しません。SLIの診断に必須ではありません。
d. PVT-R(絵画語彙検査改訂版)
✅ 正しい。受動語彙(理解語彙)を測定する標準的な言語検査です。SLI児は理解語彙の低下を示すため、言語障害の確認に必須です。
e. s-s法(語音系列テスト)
✅ 正しい。音韻処理能力や短期音韻記憶を評価する検査です。SLI児の多くが音韻処理能力の困難を示すため、言語障害の性質を把握するために重要です。
---
【試験対策ポイント】
特異的言語発達障害(SLI)診断の検査選別基準:
| 検査名 | カテゴリ | SLI診断での役割 | 必須度 |
|---|---|---|---|
| WISC-IV | 認知検査 | IQが平均以上であることを確認 | 必須 |
| PVT-R | 言語検査(理解) | 受動語彙低下の確認 | 必須 |
| s-s法 | 言語検査(音韻) | 音韻処理能力の障害確認 | 必須 |
| フロスティッグ | 視知覚検査 | 視知覚評価(言語診断には無関関) | 不要 |
| Rey複雑図形 | 視覚構成検査 | 視覚記憶評価(言語診断には無関) | 不要 |
キーワード:
- SLI診断=「言語障害」と「認知能力は正常」の両立を証明
- 視覚系検査は言語診断に寄与しない
- 言語検査(理解・表現・音韻)は複数種類の実施が望ましい