第18回 言語聴覚士国家試験 第75問
音声障害第18回
Kayser-Gutzmann法で用指的に圧迫を加えるのはどこか。
- 1.舌骨
- 2.下顎骨
- 3.甲状軟骨 ✓
- 4.輪状軟骨
- 5.披裂軟骨
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 甲状軟骨
Kayser-Gutzmann法は、反回神経麻痺による声帯麻痺(特に外転麻痺)に対する音声治療手技です。用指的に甲状軟骨を患側に圧迫することで、麻痺側の声帯を正中寄りに移動させ、声帯接触を促進して音声改善を図ります。この手技により、一側反回神経麻痺による気息性嗄声が著しく改善されることがあります。
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【各選択肢の解説】
1. 舌骨
❌ 誤り。舌骨は甲状軟骨の上方に位置し、Kayser-Gutzmann法の圧迫部位ではありません。舌骨は与える圧迫位置としては不適切です。
2. 下顎骨
❌ 誤り。下顎骨は顎の最大骨で、声帯位置の調整には関与しません。Kayser-Gutzmann法の圧迫対象外です。
3. 甲状軟骨
✅ 正しい。甲状軟骨を患側に圧迫することで、輪状甲状関節を動かし、麻痺側声帯を正中寄りに移動させます。これが本法の核となる操作です。
4. 輪状軟骨
❌ 誤り。輪状軟骨は甲状軟骨より下位に位置し、直接圧迫対象ではありません。甲状軟骨を動かすことで間接的に輪状甲状関節が作用します。
5. 披裂軟骨
❌ 誤り。披裂軟骨は喉頭内部の深層に位置し、体表からの用指的圧迫では到達不可能です。Kayser-Gutzmann法は体表からの圧迫手技です。
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【試験対策ポイント】
Kayser-Gutzmann法の核心知識
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 一側反回神経麻痺による外転麻痺 |
| 圧迫部位 | 甲状軟骨(患側) |
| 作用機序 | 輪状甲状関節を動かし声帯を正中化 |
| 効果 | 気息性嗄声の改善、音声強度向上 |
| 分類 | 音声治療(代償手段) |
反回神経麻痺と声帯位置
| 状態 | 声帯位置 | 症状 |
|---|---|---|
| 外転麻痺 | 正中~傍正中位 | 気息性嗄声が強い、誤嚥なし |
| 内転麻痺 | 外転位 | 嗄声軽度、呼吸困難の可能性 |
喉頭輪状甲状関節の解剖
甲状軟骨を患側に圧迫→輪状甲状関節が可動→麻痺側声帯が正中寄り化→対側声帯との接触増加→音声改善