第18回 言語聴覚士国家試験 第79問
器質性構音障害第18回
口蓋裂に伴わないのはどれか。
- 1.声門破裂音
- 2.開口障害 ✓
- 3.咬合の異常
- 4.共鳴の異常
- 5.耳管機能障害
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 開口障害
口蓋裂は軟口蓋・硬口蓋を中心とした構造異常であり、顎関節や咀嚼筋に一次的な障害をもたらさないため、開口障害(顎の開け閉めの制限)は直接的な伴発症状ではありません。口蓋裂患者に開口障害が見られる場合は、別の原因(顎関節の異常や別の遺伝症候群)を疑う必要があります。
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【各選択肢の解説】
1. 声門破裂音
✅ 正しい。口蓋裂により軟口蓋の閉鎖不全が生じると、呼気調整が不十分になり、声門で呼気を遮断する代償動作として声門破裂音が出現します。これは口蓋裂患者の特徴的な音韻変化です。
2. 開口障害
❌ 誤り。口蓋裂は口蓋部の分裂であり、顎関節や咀嚼筋機能に一次的な障害をもたらしません。開口制限は顎関節症や他の器質的障害に起因し、口蓋裂の直接的な伴発症状ではありません。
3. 咬合の異常
✅ 正しい。口蓋裂患者の多くは、硬口蓋の分裂に伴う歯槽突起の連続性の喪失や歯列弓の変形により、咬合異常(開咬・交叉咬合など)を呈します。特に前歯部の咬合不全が顕著です。
4. 共鳴の異常
✅ 正しい。軟口蓋の閉鎖不全により、口腔共鳴が低下し、鼻腔共鳴が過度に加わります。結果として開鼻声(鼻声)が特徴的に聞かれます。これは口蓋裂患者の最も顕著な音声特徴です。
5. 耳管機能障害
✅ 正しい。軟口蓋張筋(テンソルベリパラティナイ筋)は耳管咽頭口を開く機能を担い、口蓋裂によりこの筋の走行が異常となるため、耳管開放機能が低下します。結果として中耳炎の罹患率が高まります。
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【試験対策ポイント】
口蓋裂の伴発症状まとめ
| 構音障害 | 開鼻声(共鳴異常)、声門破裂音、呼気的鼻漏 |
|---|---|
| 咬合・歯列異常 | 開咬、交叉咬合、歯列弓の変形 |
| 中耳病変 | 耳管開放不全→滲出性中耳炎 |
| 開口障害 | 伴わない(顎関節・咀嚼筋は直接侵襲されない) |
重要な否定知識:
- 「開口障害」は顎関節や咀嚼筋の異常に起因するもので、口蓋裂の一次的な症状ではない
- 口蓋裂患者に開口制限があれば別の原因を検索する必要がある
- 軟口蓋張筋の異常走行が耳管機能障害の機序である(これがMiller-Diekerの特徴)
頻出ポイント:
- 口蓋裂と中耳炎の関連性(試験頻出)
- 構音障害の代償動作(声門破裂音)の理解
- 咬合異常の発生メカニズム