第18回 言語聴覚士国家試験 第81問
運動障害性構音障害第18回
運動障害性構音障害の特徴として正しいのはどれか。
a.構音器官の運動機能の低下がある。
b.麻痺による構音の誤りには一貫性がある。
c.音の探索行動がある。
d.自己修正の試みがある。
e.構音運動のプログラミング過程の障害である。
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — a,b
運動障害性構音障害は、中枢神経系または末梢神経系の障害により、構音器官の運動機能そのものが低下する疾患です。したがって、構音器官の実際の機能障害(a)と、それに伴う麻痺が一貫している(b)ことが特徴です。これは神経因性構音障害であり、器質的な運動障害が基盤となります。
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【各選択肢の解説】
a. 構音器官の運動機能の低下がある。
✅ 正しい。運動障害性構音障害は脳卒中・パーキンソン病・筋萎縮性側索硬化症など、神経障害に基づく構音器官の運動機能低下が本質です。麻痺、痙縮、筋力低下、協調運動障害などが直接的に構音に影響します。
b. 麻痺による構音の誤りには一貫性がある。
✅ 正しい。構音器官の運動機能障害は器質的かつ永続的であるため、同じ音でほぼ同じ誤り方が繰り返されます。これは機能的構音障害(音韻的背景)とは異なる特徴です。
c. 音の探索行動がある。
❌ 誤り。音の探索行動や試行錯誤的な音変化は、機能的構音障害(発達性構音障害など)の特徴です。器質的な運動障害では、このような探索行動は見られません。
d. 自己修正の試みがある。
❌ 誤り。自己修正の試みは、児童が正しい音を知っていながら誤って構音している機能的構音障害で見られる特徴です。運動障害性構音障害では、構音器官の機能限界のため、意識的な自己修正は困難です。
e. 構音運動のプログラミング過程の障害である。
❌ 誤り。プログラミング過程の障害は失行性構音障害(apraxia of speech)の特徴であり、運動障害性構音障害ではありません。運動障害性構音障害は「プログラムの実行段階」の障害です。
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【試験対策ポイント】
構音障害の分類と特徴の区別:
| 特徴 | 運動障害性 | 機能的構音障害 | 失行性構音障害 |
|---|---|---|---|
| 神経学的異常 | あり(麻痺・筋緊張異常) | なし | あり(実行障害) |
| 誤りの一貫性 | 高い | 低い | 低い(試行錯誤的) |
| 音の探索行動 | なし | あり | あり |
| 自己修正の試み | なし | あり | あり |
| プログラミング障害 | なし | なし | あり |
| 主な原因 | 脳卒中・パーキンソン病・筋疾患 | 習癖・発達 | 失行症 |
重要な否定知識:
- 運動障害性構音障害=「実行段階」の障害(プログラミング段階ではない)
- 一貫性のある誤りは、器質的障害の証拠
- 探索行動や自己修正=「聴覚フィードバックが正常に機能している」ことを示唆