STカコモン — 言語聴覚士国家試験 過去問・解説

第18回 言語聴覚士国家試験 第82問

運動障害性構音障害第18回
痙性構音障害の訓練に用いるのはどれか。 a.圧迫刺激 b.タッビング c.アイシング d.持続的伸長 e.バイブレーション 1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — d.持続的伸長、e.バイブレーション 痙性構音障害は両側錐体路障害(偽性球麻痺)による筋緊張亢進が特徴です。この過度な筋緊張を低下させるため、Rood理論に基づいた「抑制的刺激」(持続的伸長・バイブレーション)が訓練に用いられます。これらは筋の過活動を抑え、発話の正確性向上を目指します。 --- 【各選択肢の解説】 a. 圧迫刺激 ❌ 誤り。圧迫刺激は筋緊張を亢進させる「促通的刺激」です。痙性構音障害では既に筋緊張が高い状態であるため、さらに緊張を高める圧迫刺激は逆効果となります。 b. タッピング ❌ 誤り。タッピングは筋緊張を亢進させる「促通的刺激」であり、痙性構音障害には不適切です。これは低緊張の弛緩性構音障害には有効ですが、本疾患には適用されません。 c. アイシング ❌ 誤り。アイシングは筋紡錘の感度を一時的に低下させることで筋緊張を低下させますが、効果が短時間に限定されます。また、痙性構音障害の根本的な訓練法としては確立されておらず、選択肢では採用されていません。 d. 持続的伸長 ✅ 正しい。Rood理論に基づいた「抑制的刺激」の代表です。筋を持続的に伸長することで、Ib腱器官を刺激し、筋緊張を低下させます。痙性構音障害の訓練に広く用いられます。 e. バイブレーション ✅ 正しい。同じく「抑制的刺激」で、筋に対して低周波のバイブレーションを与えることで筋緊張を低下させます。Rood理論に基づき、痙性構音障害の訓練に実用的に応用されています。 --- 【試験対策ポイント】 Rood理論の刺激と構音障害の対応 | 刺激の種類 | 効果 | 適用する構音障害 | |---|---|---| | 圧迫刺激、タッピング | 筋緊張亢進(促通) | 弛緩性構音障害 | | 持続的伸長、バイブレーション、アイシング | 筋緊張低下(抑制) | 痙性構音障害 | 痙性構音障害の特徴 ・原因:両側錐体路障害(脳卒中・脳性麻痺など) ・症状:筋緊張亢進→「努力性嗄声」「あたかもホットポテト口」(hot potato speech) ・訓練目標:過度な筋緊張を低下させ、発話の自然性を改善 頻出の紛らわしい点 ・アイシングは抑制的刺激だが、効果が短時間のため実際の訓練ではあまり用いられない傾向 ・タッピング=促通(圧迫刺激と同系)という関連性を確実に理解すること ・「どの障害に何を使うか」は Mayo分類の筋緊張状態を理解していれば判断可能
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