第18回 言語聴覚士国家試験 第83問
嚥下障害第18回
嚥下機能検査と評価項目との組合せで正しいのはどれか。
a.筋電図検査 ― 誤嚥の程度
b.嚥下圧検査 ― 輪状咽頭筋の弛緩
c.嚥下造影検査 ― 鼻咽腔逆流
d.嚥下内視鏡検査 ― 口腔残留
e.血中酸素飽和度モニター ― 咽頭残留
1. a,b 2. a,e 3. b,c 4. c,d 5. d,e
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — b.嚥下圧検査 ― 輪状咽頭筋の弛緩、c.嚥下造影検査 ― 鼻咽腔逆流
嚥下機能検査と評価項目の対応を正確に理解することが重要です。各検査には適切な評価対象があり、「何を評価できるか」「何は評価できないか」を区別することがST試験での頻出問題です。正答の2つの組合せは嚥下圧検査が咽頭の圧変化(輪状咽頭筋の弛緩と咽頭圧上昇)を測定でき、嚥下造影検査が放射線造影剤で鼻腔への逆流を直視できるという検査の基本原理に合致しています。
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【各選択肢の解説】
a. 筋電図検査 ― 誤嚥の程度
❌ 誤り。筋電図検査は嚥下筋群の筋活動パターン(タイミング・振幅)を評価するもので、誤嚥の「有無」や「程度」を直接測定することはできません。誤嚥判定には造影検査や内視鏡検査など視覚的検査が必要です。
b. 嚥下圧検査 ― 輪状咽頭筋の弛緩
✅ 正しい。嚥下圧検査(マノメトリー)はカテーテル先端の圧センサーで咽頭・食道内の圧変化を測定し、輪状咽頭筋の弛緩圧(開口圧)と咽頭収縮圧を定量的に評価します。咽頭期の機能評価に最適な検査です。
c. 嚥下造影検査 ― 鼻咽腔逆流
✅ 正しい。嚥下造影検査は硫酸バリウムを用いた動画撮影により、食塊の軌跡と咽頭機能を直視できます。軟口蓋の挙上不全により生じる鼻咽腔逆流(鼻への逆流)を明確に描出します。
d. 嚥下内視鏡検査 ― 口腔残留
❌ 誤り。嚥下内視鏡(VE)は咽頭が主観察部位で、口腔全体は直視困難です。口腔内の残留物(特に舌背部)は嚥下反射後にホワイトアウトが解除されても観察が限定的。口腔残留は嚥下造影検査か臨床観察が優位です。
e. 血中酸素飽和度モニター ― 咽頭残留
❌ 誤り。パルスオキシメトリーは酸素飽和度のみを測定するもので、咽頭残留の有無・程度を評価できません。咽頭残留の評価には嚥下内視鏡検査(嚥下反射後に観察)や造影検査が必要です。
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【試験対策ポイント】
各検査の適切な評価対象(嚥下の「相」と対応させて整理)
| 検査名 | 評価可能項目 | 評価困難・不可な項目 |
|---|---|---|
| 嚥下造影検査 | 食塊軌跡・鼻咽腔逆流・誤嚥・咽頭残留 | 咽頭圧定量値・軟組織の動き詳細 |
| 嚥下内視鏡検査 | 咽頭残留(反射後)・気道侵入・誤嚥 | 口腔全体・嚥下反射の瞬間(ホワイトアウト) |
| 嚥下圧検査(マノメトリー) | 輪状咽頭筋弛緩圧・咽頭圧・LES圧 | 誤嚥の有無