第18回 言語聴覚士国家試験 第85問
嚥下障害第18回
胃瘻による栄養法の特徴として誤っているのはどれか。
- 1.肺炎が防止できる。 ✓
- 2.嚥下訓練を妨げない。
- 3.長期の栄養管理に適している。
- 4.胃瘻カテーテルの交換が必要である。
- 5.自己抜去が少ない。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 肺炎が防止できる。
胃瘻は食物が経口経路を通らないため誤嚥のリスクは低下しますが、「肺炎が完全に防止できる」わけではありません。逆流性食道炎による不顕性誤嚥や、口腔内の不潔による誤嚥性肺炎の可能性が残存します。また、胃瘻造設後も経口での唾液誤嚥は継続するため、肺炎リスクをゼロにすることはできません。
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【各選択肢の解説】
1. 肺炎が防止できる。
❌ 誤り。胃瘻は経管栄養による誤嚥リスクは軽減しますが、完全な肺炎予防にはなりません。逆流性食道炎による不顕性誤嚥、口腔咽頭分泌物の誤嚥、胃食道逆流による誤嚥性肺炎の可能性が残存します。これが本問の正答根拠です。
2. 嚥下訓練を妨げない。
✅ 正しい。胃瘻は栄養を確保しつつ経口摂取の制限を緩和できるため、嚥下機能の回復段階で並行して嚥下訓練を実施することが可能です。経鼻経管栄養よりも長期管理に適し、訓練との両立が容易です。
3. 長期の栄養管理に適している。
✅ 正しい。胃瘻は長期間(数ヶ月~数年単位)の経管栄養に最適な方法です。経鼻経管栄養では鼻腔損傷やカテーテル逸脱のリスクがありますが、胃瘻はこれらの合併症が少なく、生活の質も比較的保ちやすいです。
4. 胃瘻カテーテルの交換が必要である。
✅ 正しい。胃瘻カテーテルは通常3~4ヶ月ごとの交換が必要です。カテーテルの老化・詰まり・逆流防止弁の機能低下などにより、定期的なメンテナンスと交換管理が欠かせません。
5. 自己抜去が少ない。
✅ 正しい。胃瘻は腹壁に固定されているため、経鼻経管栄養と比べて自己抜去のリスクが極めて低いです。認知機能低下患者やせん妄患者における誤った抜管が少ないことは、胃瘻の大きな利点です。
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【試験対策ポイント】
経管栄養法の比較表
| 項目 | 経鼻経管 | 胃瘻 | 腸瘻 |
|---|---|---|---|
| **誤嚥肺炎予防** | 中程度 | 中程度 | 良好 |
| **長期適性** | ✗ 短期向き(1-2週) | ✅ 長期向き(数ヶ月-年) | ✅ 長期向き |
| **嚥下訓練との両立** | △ 鼻閉塞で困難 | ✅ 訓練可能 | ✅ 訓練可能 |
| **自己抜去** | 多い | 少ない | 少ない |
| **QOL** | 低い | 高い | 高い |
| **装置交換** | 頻回 | 3-4ヶ月ごと | 3-4ヶ月ごと |
| **カテ詰まり** | 多い | 中程度 | 少ない |
胃瘻における肺炎のメカニズム
- 経口栄養の誤嚥:軽減する
- 逆流性食道炎による誤嚥:継続する
- 唾液の誤嚥:継続する
- 口腔